「さいはての用心棒(66)」

2019-11-07

PER POCHI DOLLARI ANCORA(伊)「はした金のためにもう一度」、 FORT YUMA GOLD(英)「ユマ砦の黄金」劇場公開作

カテゴリー(Giuliano Gemma)

監督カルビン・ジャクソン・パジェット(ジョルジョ・ステガーニ)、脚本アウグスト・フィノッキ、マッシミリアーノ・カプリチオーリ、レオナルド・マルティン、ジム・デムーラン、サンドロ・コンティネンサ、レミジオ・デル・グロッソ、撮影ラファエル・パチェコ、音楽ジャンニ・フェリオ、エンニオ・モリコーネ、出演ジュリアーノ・ジェンマ、ソフィー・ドーミエ、ジャック・セルナス、ホセ・カルボ、ダン・バディス、アンヘル・デル・ポーゾ、ネロ・パゾフィーニ、ベニト・ステファネリ

ジェンマとパジェット監督のコンビによる作品である。ときには目も当てられない失敗作を手掛けてしまうパジェット監督だが、本作品は鑑賞に堪えうる出来栄え。北軍の捕虜になっている南軍将校ゲーリー・ハモンド(ジュリアーノ・ジェンマ)は、南軍の少佐サンダース(ジェック・セルナス)の裏切りにより、友軍が難攻不落の北軍のユマ砦を無謀にも攻撃しようとしていることを知った。

裏切ったサンダースは、その攻防の合間に、凶悪なネルソン・リッグス(ダン・バディス)率いるギャング団と手を組んで、砦に隠されている百万ドルの黄金を強奪する計画なのだ。ゲーリーは友軍の無謀な攻撃をやめさせ、悪人たちの計画を阻止するために友軍を説得する旅に出る。ところが、その旅に同行していたリフェーブル大尉(アンヘル・デル・ポーゾ)も裏切り者の一人であることに気づいたゲーリーは、攻撃中止の命令を書いた手紙を酒場の娘コニー(ソフィ・ドーミエ)に託す。

コニーとの再会のため町にやって来たゲーリーだったが、リッグスの待ち伏せに遭い、直射日光の下でも両眼を閉じられないような網をかぶせる拷問を受けてしまう。彼の両眼が見えなくなったと信じたリッグスの手下たちは、散々にゲーリーをからかうが、その虚を突きながら、ゲーリーは一人ずつ手下たちを倒し、コニーと共に友軍に危機を伝えることに成功するという物語展開。

次々に仲間が死んでいくのにゲーリーを疑わない一味があまりに間抜けだが、果たして主人公の目は見えているのだろうかという興味は盛り上っていた。リフェーブルに殺された友人のピット軍曹(ネロ・パゾフィーニ)から譲り受けていた護身用のデリンジャー拳銃による十字撃ち(観念して神に十字を切るふりをして懐から拳銃を抜く戦法)で敵を倒すラストも「荒野の1ドル銀貨(65)」からジェンマのマカロニではおなじみの逆転劇だ。

本作では、ギャング団のボス、リッグスを演じたダン・バディスの存在感が強烈。「荒野の皆殺し(66)」で凶悪無比、残虐非道の悪役を演じた彼が、白の上下でピシッと決め、南北両軍の裏切り者北軍のリフェーブル大尉と南軍のサンダース少佐に指示を下す。陰のボスはこいつだと思わせる威圧感があり、すべての行動に沈着冷静、クールな面持ちで、冷酷な所業を平然とやってのける。ヘラクレス役でも知られる2メートルはあろうかと思われる長身と、服の上からもそれとわかる、鍛え抜かれた体格は、主人公のジェンマを凌駕する迫力を見せていた。しかし、残念なことに、リッグスはゲーリーと殴り合う最中に立て掛けてあった、つるはしに背中を刺されて絶命してしまうという意外とあっさりした最後を迎えてしまう。

結局、最後の決闘は、コニーを人質に取ったリフェーブル大尉との決戦となるが、ここは、ゲーリー対リッグスと最後の名勝負を演じてほしかったところだ。ハーモニカの調べから始まり、徐々にコーラスが加わって素晴らしい盛り上がりを見せる音楽はジャンニ・フェリオ作曲となっているが、かなりエンニオ・モリコーネの手が加わっているようだ。