「荒野の大活劇(69)」

VIVI,O PREFERIBILMENTE MORTI(伊)「生きるか、死ぬか」、ALIVE OR PREFERABLY DEAD(英)「生きるか、死ぬか」劇場公開作

カテゴリー(Giuliano Gemma)

監督ドウッチョ・テッサリ、脚本ジョルジュ・サルビオーニ、ドウッチョ・テッサリ、撮影チェザーレ・アリオーニ、音楽ジャンニ・フェリオ、出演ジュリアーノ・ジェンマ、ニノ・ベンベヌチ、シドニー・ローム、アントニオ・カサス、クリス・ヒュエルタ、ジョルジュ・リガウド

ジェンマの西部劇としては日本で最後の劇場公開作品となった作品。70年代マカロニの主流となったコメディの先駆けともいうべき内容だが、ジェンマ自身はこうした明るい作品を楽しく演じることを喜んでいたらしく、自らこの作品を好きな1本として挙げている。

本作品のもう一つの話題は当時プロボクシングの現役ミドル級チャンピオンだったニノ・ベンベヌチが共演していること。ベンベヌチは私生活においてもジェンマの友人で2人は息の合った兄弟役を演じていた。

伯父の遺産30万ドルを相続するため西部にやって来た東部のいかさまギャンブラー、モンティ(ジュリアーノ・ジェンマ)は20年ぶりに実の弟テッド(ニノ・ベンベヌチ)と再会する。遺産相続の条件は兄弟二人が6ケ月間、仲良く暮らすことといういささか風変わりなものだった。ところが、東部と西部の出身で全く性格の違う兄弟は、ことごとく衝突してばかり。そんなところを、山賊ジム(クリス・ヒュエルタ)の襲撃によってテッドの小屋を焼き討ちされ無一文になった二人は、なんとか6ケ月間を過ごすため、銀行強盗や駅馬車強盗を計画するが人の良さ故にうまくいかず、あげくのはては、誘拐してきた銀行家のじゃじゃ馬娘ロッセラ(シドニー・ローム)を挟んで3角関係に陥ってしまうというどたばた劇が繰り広げられる。

ラスト、列車強盗を企てたモンティが、走る列車に躍り込み「強盗だ!」とすごんで見せるが、警備員たちからは、「知らせてくれて助かった」と感謝される始末。実際にジム一味の列車襲撃とかち合っていたというオチだが、そもそもジェンマのマスクが銀行強盗のそれではなかったのである。

全編がベタなギャグの連続だが、日本人にとっても笑えるシーンが比較的多いので、劇場公開にも十分耐えられる面白さだった。また、コメディでありながらもジェンマは、走っている列車の上をぴょんぴょんと跳んで歩いたり、後ろ手に縛られた体勢から背中ごしに早撃ちを見せたり、西部劇としての見せ場も失っていなかった。この後も、ジェンマが主演した良質のマカロニウエスタンは何本か制作されるのだが、残念ながら、この作品を最後にジェンマのマカロニウエスタンを日本のファンが、劇場で鑑賞することはできなくなってしまうのだった。