「ジェンマの復讐の用心棒(76)」

LO CHIAMAVANO CALIFORNIA(伊)「カリフォルニアという男」、CALIFORNIA(英)「カリフォルニア」、TV・DVD公開題名「ジェンマの復讐の用心棒」「復讐・新荒野の用心棒」劇場未公開

カテゴリー(Giuliano Gemma)

監督ミケーレ・ルーポ、脚本フランコ・ブッチエリ、ロベルト・レオーニ、撮影アレハンドロ・ウロア、音楽ジャンニ・フェリオ、出演ジュリアーノ・ジェンマ、ウイリアム・バーガー、レイモンド・ハームストロフ、パオラ・ポゼ、ロバート・ハンダー、クリス・アブラム、ロマーノ・プッポ、ミゲル・ポゼ

「復讐の用心棒(66)」といえば当然ロバート・ウッズのペコスだが、本作品はテレビ公開のため適当に題名がつけられたようだ。それでも「ジェンマの〜」と付けられていることから混乱は避けられる。また、別のテレビ公開題名は「復讐・新荒野の用心棒」、劇場公開で企画されていた題名は「カリフォルニア」である。劇場公開題名まで決められていながら結局お蔵入りになってしまったことは大変残念だった。恋人を救出するために活躍する心優しき主人公の個性はジェンマにぴったり、アクションシーンも豊富な快作でマカロニ全盛期なら当然公開されてジェンマの代表作の一つに数えられたであろう1本だ。

南北戦争が終結して帰郷することになった南軍の敗残兵達を待っていたのは、些細な罪を口実にして人間狩りを行う冷酷な賞金稼ぎの一群だった。たまたま知り合った若い兵士ウイリー(ミゲル・ポゼ)と南部への道へ歩みを進めるカリフォルニアと名乗る兵士(ジュリアーノ・ジェンマ)も二人旅の途中いさかいを起こした北部の一団に襲われ、相棒のウイリーを殺 されてしまう。彼の死を知ら せるため年老いた両親(父親役はウイリアム・バーガー)と姉ヘレン(パオラ・ボセ)の待つウイリーの実家へ立ち寄ったカリフォルニアは一家の願いに応えてしばらく滞在することにする。用水路に水を引き、畑を耕す平穏な日々、帰る場所を持たなかったカリフォルニアとヘレンが互いに惹かれ合うようになるのも自然のなりゆきだった。

しかし、この幸せも長くは続かなかった。町に買い物に出たヘレンは、たまたま起こった撃ち合いに巻き込まれて逃亡する犯人に人質として連れ去られたのだ。犯人は凶暴なウィテカー(レイモンド・ハームストロフ)率いる賞金稼ぎの一団。愛するヘレンを救出するためカリフォルニアの追跡が開始された。

恋人救出のために悪の一味に潜入し、相手に信用してもらうために強盗まで犯すという展開はいささか強引で無理があるが、主人公の一途さを表すには効果的。強盗を犯したカリフォルニアを新聞記者のネルソン(クリス・アブラム)は見逃すことになり、あまりに過酷な運命にもはや正気を失いかけていたヘレンにそっと手を差し伸べるジェンマの傷だらけの手をアップにして終 わるラストシーンがこの作品そのものを象徴していて印象的。全編寒々とした風景と、暗いストーリーで鬱々とした気分にさせられるが、カリフォルニアに寄り添うヘレン、パオラ・ボセの可憐さは特質もの。ちなみにウイリーとヘレンの姉弟は、ミゲ ル・ボセとパオラ・ボセという実際の姉弟が演じている。