「死のツーソン(65)」

PER UN DOLLARO A TUCSON SI MUORI(伊) 「ツーソンのドルのために死す」、DIE FOR A DOLLAR IN TUCSON(英)「ツーソンのドルのために死す」、TV公開題名「死のツーソン(未確認)」劇場未公開

カテゴリー(Ronny De Marc)

監督D・ブロンソン(セサール・カナバリ)、脚本セサール・カナバリ、撮影アドリアーノ・ベルナッチ、音楽アルマンド・シンシア、出演ロニー・デマルコ、ジセーレ・サンドーレ、マリー・グレース・マネス、ベニト・ステファネリ、ジョージ・リンカーン、ダニロ・ターク、ジョルジュ・ライカン

初期の作品で、ユーゴスラビアとの合作。牧場の様子や生き生きと働く女性の描写などは、米西部劇の雰囲気をもっている。物語も、シェーンのパターンで流れ者のダン(ロニー・デマルコ)が、世話になった牧場一家のために町を牛耳っている悪党ビル・レクスター(ジョルジュ・ライカン)と用心棒チャーリー(ベニト・ステファネリ)一味と戦い、牧場の娘との恋も成就させるという単純なものだ。

異色作「マタロ(71)」の監督だけに意味不明でシュールな場面があちらこちらに挿入される。主人公のダンも中盤はほとんど物語に絡んでこず、悪党一味が町民に嫌がらせをする場面 がだらだらと描かれるだけ。これが意図的に計算されたものなのか、演出がいい加減なだけなのか、(おそらく後者であろうが)判断に迷うところだ。町民と協力して戦う、後半の撃ち合いになると、マカロニウエスタンがこれから歩んでいく方向性を暗示するようなシーンが多く見られた。死んだ仲間の亡骸を納めるための棺桶に潜んで撃ったり、床下から飛び出して二丁拳銃で倒したりという「帰ってきたガンマン(66)」を思わせるガンプレイに加えて、死体がごろごろ転がるなかで弾を避けることもせずに無謀に突入しながらゲームのように撃ち合う銃撃戦はマカロニ独特のもの。

全体に流れる音楽はコメディともつかない奇妙な音楽で、大変なミスマッチ。マカロニ節の格好良さにはほど遠いが、シュールな画面づくりとも重なって不思議と耳に残る。また、未確認だが、本作品は「死のツーソン」という題名でテレビ公開されていたという情報もあるが未確認のまま。