「悪魔の拳の中のコルト(67)」

UNA COLT IN PUGNO DEL DIAVOLO(伊)「悪魔の拳の中のコルト」、COLT IN THE HAND OF THE DEVIL(英)「悪魔の拳の中のコルト」劇場未公開

カテゴリー(Bob Henry)

監督セルジオ・ベルゴンゼリ、脚本セルジオ・ベルゴンゼリ、撮影アルド・グレシ、音楽ジャン・フランコ・レベルベリ、出演ボブ・ヘンリー、マリサ・ソリナス、ジョージ・ワン、ジェラルド・ロッシ、ルチアーノ・ベネッティ

軍のエージェント、パット・スコッティ(ボブ・ヘンリー)は砂漠で突如消息を断ったキャラバン隊と奪われた金貨の捜索のため金鉱掘りを装ってエル・コンドル(ジョージ・ワン)率いる山賊の一味に近付く。山中に要塞を築きメキシコ人たちの生活共同体を造り上げていたコンドルは、敵や裏切り者には容赦ない制裁を加える冷酷な男でありながら、その一方で小動物や赤ん坊を可愛がる二面性をもつ不思議な男だった。

要塞には、若き保安官の婚約者ジャネット(ルクレシア・ラブ)も囚われており彼女を救おうとスコッティは奮闘するもののついに正体が暴かれ、あわや縛り首になりそうになるところを、彼に好意をよせるメキシコ娘マヤ(マリサ・ソリナス)に救われる。スコッティが救出され騎兵隊が乗り込むまでの展開は、いくつかの工夫がなされており、なかなか面白い。スコッティが縛り首になる前に火薬庫を爆破することを合図に騎兵隊が突入する段取りになっていたのだが、火薬庫の側に赤ん坊がいたために、マヤは爆破を断念してしまう。しかし、メキシコ娘のマヤには遠距離から吊るされたスコッティの縄を断ち切るだけの銃の腕前は当然ない。そこで彼女が打った手が金鉱堀の小道具としてスコッティが使用していた望遠鏡のレンズで太陽光を集めて縄を焼き切るという方法だった。

首吊りからスコッティを救出したものの、火薬庫を爆破しなければ騎兵隊は乗り込んでこない。ところが今度はジャネットが自らを犠牲にして火薬庫に火を放ち爆破、騎兵隊とメキシコ山賊との大乱戦へと突入する。もたもたして覇気がない主人公に比べて女たちが、大活躍する風変わりな作風だ。兵隊と山賊の大乱戦の結果、コンドルの男気にほれ込んでいたスコッティは彼の恩赦を願い出てその命を救ってやるという、ちょっと変わった結末も用意されている。

撃ち合いや戦闘シーンも派手で見どころも多いのだが、主人公を演じるボブ・ヘンリーはやたら背が高いが髪の毛は後退ぎみで、マカロニヒーローとしての格好良さが感じられない。その上ファッションに何の特徴もなくガンプレイの見せ場もないとなるとビジュアル的にマカロニとして期待に応えてくれるべき点はほとんどないのは残念。さらにスペインロケではなく、イタリアの郊外で撮影されたであろう風景も西部のイメージからは遠く低予算で作られた感じが隠しきれない。それでいてジャン・フランコ・レベルベリの音楽は主題歌から挿入曲までマカロニらしくパンチの効いた曲揃い。音楽が映画を陵駕しているマカロニの典型例だ。