「西部で最も大胆な稼業(69)」

EL MAS FABULOSO GOLPE DEL FAR WEST(伊)「西部で最も大胆な稼業」、BOLDEST JOB IN THE WEST(英)「西部で最も大胆な稼業」劇場未公開

カテゴリー(Mark Edwards )

監督ホセ・アントニオ・デ・ラ・ローマ、脚本ホセ・アントニオ・デ・ラ・ローマ、撮影ハンス・バルマン、音楽ジャンニ・マルチェッティ、ステルビオ・チプリアーニ、出演マーク・エドワース、フェルナンド・サンチョ、ピエロ・ルッリ、チャーリー・ブラボ、フランク・ブラーニャ、カルメン・セビリア

「嵐を呼ぶプロファイター(66)」のホセ・アントニオ・デ・ラ・ローマが脚本・監督を手掛け、史劇スターのマーク・エドワースが主演した作品ということだったが、何と彼は中盤で殺されてしまう。善玉は誰なのか、悪党は誰なのか最後の最後まで明らかにならないミステリータッチで描かれる異色のマカロニウエスタン。

舞台は大雪原、強盗団を率いるミシガン(マーク・エドワース)は、メキシコ人のレイエス(フェルナンド・サンチョ)、ポルドー(チャーリー・ブラボ)、ジェレマイア(ピエロ・ルッリ)らの悪党仲間を呼び集め、人殺しをしないという条件で、サンバレイの銀行を襲う。酒場の爆破に町民が気を引き付けられている隙に、長い日数をかけて掘り進 んだ地下トンネルから金庫を盗み出すという綿密な計画通り見事に強奪は成功。しかし、奪った金を運んで来るはずのジェス(フランク・ブラーニャ)たちが落ち合うはずの場所になかなか到着しない。さては裏切ったかと考え裏切り者の後を追って雪原に乗り出した一味だったが、そこで彼らは金を運ぶはずだった馬車が転倒し、金はいずこともなく消え去っているのを発見する。

裏切り者は彼らの中にいる。互いを信じられぬ男たちの間に殺気がみなぎっていくのだった。タランティーノはこの作品を基に「レザボアドッグス」を作ったのではないかと思われるようなミステリータッチの物語展開と「黄金はどこだ〜?」とドン・ポウエルが絶叫するチプリアーニ作曲の主題歌がピッタリとマッチ。さらには、他のマカロニではほとんど描かれなかった“小学校に通う子供達”“スカートをたくしあげて雪溶け道を歩む女達”“ひなたぼっこする老婆”など西部の日常的な風景がきっちりと描かれているのも本作品の特徴。

エキストラの数や繰り返される爆破のシーンなどを見ても、多額の予算が掛けられていることが推測される。黄金の在処を白状させるため仲間を拷問にかけ る冷酷さを持ち合わせる反面、いじめられている子供を助けたり、暴行しようとした少女の涙を見て悪事をやめてしまったりというこれまでのフェルナンド・サンチョの役柄とはひと味違った個性的なレイエスの性格設定が最後まで生きてくるのがミソ。画面の構成も、異色のストーリー展開も見事な、隠れた傑作だ。