「生者を殺せ、そして死者に祈れ(71)」

PREGA PER IL MORTO AMMAZZA IL VIVO(伊)「生者を殺せ、そして死者に祈れ」、SHOOT THE LIVING…PRAY FOR THE DEAD(英)「生者を殺せ、そして死者に祈れ」劇場未公開

カテゴリー(Klaus Kinski)

監督ジョセフ・ウォーレン、脚本アドリアーノ・ボルゾーニ、撮影フランコ・ビラ、音楽マリオ・ミグリアルディ、出演クラウス・キンスキー、ポール・サリバン、ディーン・ストラトフォード、ビクトリア・ジニー、ダン・メイ、ジョン・エリー

リード(ディーン・ストラトフォード)とホーガン(クラウス・キンスキー)をボスにもつ強盗団が10万ドルを強奪してメキシコへの逃亡をはかる。逃げ込んだ駅馬車の中継所に待ち受けていたのはジョン・ウエッブ(ポール・サリバン)という謎の男。報酬と引き替えにメキシコへの案内をかってでた彼と、たまたま居合わせた駅馬車の乗客を人質に、メキシコを目指したサバイバルの旅が開始された。

途中ウエッブは、様々な策をもちいて一味同士の仲間割れを誘発し、互いに殺し合わせて一味の数を減らしていく。ついに生き残った一味はホーガンのみとなったとき、ウエッブは、ホーガンを仇として付け狙っていたとことが明らかになる。この展開は定石通りで、ウエッブのガンプレイが見どころになるはずだが、主人公であるはずのウエッブがマカロニガンマンとしての活躍を見せる場面はほとんどない。それに代わって実質的な主演を務めるのがポール・サリバンではなく、タイトルにある通りクラウス・キンスキーだ。いつものゲスト出演的な役割ではなく、悪の魅力をとことん見せつけてくれる。

ライバルとして強盗団の覇権を争っていた相棒のリードを背後から射殺するシーンに始まり、人質だった女性を底なし沼に沈めながら沈んでいく様子をしゃがんだままで無表情に見守る、部下を問答無用で一人ずつ殺していくなど、非道残酷な所業のやりほうだい。中でも裏切った手下を射殺する場面がすごい。金を積んで砂漠に逃げ出した手下をその行く手に寝そべって待ちかまえる。何とかいいつくろおうと差し出した手下の銃を相手の方を見もせずにその腹にピタリと押しつけると、何のためらいもなく発射。何事もなかったかのように立ち去っていく。この狂気に満ちた演技は、キンスキーでなくては生み出せない。この独特の迫力に満ちた本作品は、彼の代表作の一つに数えてよいだろう。