「続・荒野のドラゴン(74)」

CHE BOTTE RAGAZZI (伊)「暴力小僧」、RETURN OF SHANGHAI JOE(英) 「帰って来たシャンハイジョー」劇場未公開

カテゴリー( Klaus Kinski)

監督ビト・アルベルティーニ、脚本ビト・アルベルティーニ、カルロ・アルベルト・アルフィエロ、撮影ピエロ・ルイジ・サンティ、音楽マウリオ・チアリ、出演クラウス・キンスキー、チェン・リー(?)、トミー・ポルガー

チェン・リーこと早川明心の異色作「荒野のドラゴン(74)」の続編ということで「続・荒野のドラゴン」として紹介するが、内容はあまりにもチープなもの。一説には、「荒野のドラゴン」の外国語バージョンという情報も流れているが、これは全くの別物だ。ビクシオ&テンペラ作曲「カランボラ」のテーマ曲にそっくりのシャンハイジョーと連呼するテーマソングが作られていることを見ても使い回しを多用する作品ではなくきっちりと1本の作品として創り上げられていることは分かる。

内容は町のボス、バーンズ(クラウス・キンスキー)を流れ者の中国人シャンハイジョーが、山師の鉱脈掘りビル・キャノン(トミー・ポルガー)と組んでやっつける話だ。ところが、何より驚くのはチェン・リーという役者名でありながら早川とは全く別の謎の東洋人が主演のシャンハイジョーを演じていること。西洋人から見ればアジア人の顔が皆同じに見えるのだろうが、このいいかげんさにはびっくり。

早川の精悍な容貌に比べると甘いマスクともいえる本作のシャンハイジョーだが、そのアクションはあまりにおそまつ。格闘のスーパーマンであったはずの彼が途中の殴り合いでもやられてしまううえにラストは拳銃をつかって戦い、危機をビルから助けられる有り様。おそらく東洋人は皆武術に長けているものという先入観から武術の素人をキャスティングしてしまったのだろう。途中でころころと変わる珍妙な髪形や貧弱な体格とあいまって情けなくなってくる。コメディといってもよい程、アクションもストーリーもいい加減なつくりの中で相変わらず作品を選ばぬ姿勢のクラウス・キンスキーが真剣に悪役を演じているのが妙に周囲から浮いてしまっている。

唯一興味が持てたのは物語の開幕でビルが水脈探しに利用していたダウジングというちょっと怪しい方法、かなり高い確率で鉱脈を発見できるとされるこの超常現象がさりげなく取り入れられている点は面白い。見どころといえばそのくらいで、本作品と比べればアクションやストーリー展開の面白さなど、ゲテ物と蔑まれた「荒野のドラゴン」の凄さが見えてくる。