「駅馬車の男(64)」

EL HOMBRE DE LA DILIGENCIA(伊)「駅馬車の男」、FURY OF THE APACHE(英)「アパッチの怒り」劇場未公開

カテゴリー(Frank Latimore)

監督ジョー・レイシー(ホセ・M・エロリエッタ)、脚本ホセ・M・エロリエッタ、ホセ・ルイス・ナバロ、撮影アルフォンゾ・ニエバ、音楽フェルナンド・ガルシア・モルティーロ、出演フランク・ラティモア、ナリア・トレイ、ヘスス・ピエンテ、アンソニー・P・タバー、ジョージ・マーチン、ジャーマン・コボス

63年のスペイン製西部劇「グラント砦の虐殺」をイタリアで再びプロデュースして同じ監督がリメイクした作品。これもまた、初期の作品らしく米国西部劇そのまま の騎兵隊とインディアンものだ。

アパッチから逃れて砦に立てこもった駅馬車の乗客が、砦を襲撃しようとするアパッチと戦う。砦には5年の服役を終えたスティーブ・ローマン(フランク・ラティモア)が、駅馬車を待っていたが、駅馬車にはなんと彼を無実の罪で服役させた判事トッド・ドリスコール(ヘスス・ピエンテ)と彼の婚約者リサ(ナリア・トレイ)も乗り合わせていた。アパッチとの平和な交渉に臨もうとしたローマンだったが、恐怖に駆られたリサの弟ジミー(アンソニー・P・タバー)が、話し合いに来た友好的なアパッチを誤って射殺したことから、アパッチとの全面対決に突入してしまう。

砦に立てこもった仲間は一人また一人と戦いで命を落としていく。責任を感じて一人馬車を駆って囮になったジミーも、金をもって一人で逃げ出そうとしたドリスコールも死に、遂に残ったローマンとリサだけが砦に残される。冷酷なドリスコールとの婚約を後悔していたリサは、いつの間にかローマンと心を通い合わせるようになり、二人で死を覚悟したとき、騎兵隊の進軍ラッパが鳴り響くのだった。

米国西部劇そのままのような物語でマカロニらしさを感じさせるシーンはほとんどない。数々のフランス映画で名バイブレイヤーとして活躍した往年の二枚目俳優フランク・ラティモアも、マカロニウエスタンは場違いな印象で、そのファッションからして、悪党の手下にしか見えず、到底彼が主役には見えない。ジョージ・マーチンも砦をまもる若者の一人で登場するが前半であっさり討ち死にしてしまう。インディアン襲撃のシーンなども前作に比べてもスケールアップしたわけではなく、小規模な襲撃シーンで終わってしまった。ただ、全編に流れる音楽は単調なギターのメロディーが素朴な魅力を醸し出している。