「お前を殺す…そしてお前は死体になる(74)」

SEI UNA CAROGNA…E T’AMMAZZO(伊)「お前を殺す…そして、お前は死体になる」、THE FEDERAL MAN(英)「連邦軍人」劇場未公開

カテゴリー(Pierre Brice)

監督マヌエル・エステバ、脚本マヌエル・エステバ、撮影ジロラーモ・ラ・ロサ、音楽バジリ・コウカロフ、出演ピエール・ブリス、スティーブン・テッド、フェルナンド・サンチョ、アントニオ・モリノ・ロホ、モニカ・ランダル

ドイツ製の西部劇「大酋長ウイネットー」のシリーズで主役ウイネットーを演じてきたフランスの俳優ピエール・ブリスが、主演した作品。しかし、彼は悪役で、町を恐怖で支配するボス、バレットを演じる。

バレット(ピエール・ブリス)は、辛い少年期のトラウマを背負いながら、農民から強制的に土地を取り上げる悪事を重ねてのし上がってきた男だ。しかし、彼の部下が農民を撃ち殺して土地を奪う場を偶然通りかかった金鉱堀のセバスチャン(フェルナンド・サンチョ)に目撃され、バレットは、腹心の部下ジョナサン(アントニオ・モリノ・ロホ)に命じてセバスチャンを始末させようとする。そのころから、町にふらりと現れた黒いきざな衣装に身を包んだ流れ者のカルダー(スティーブン・テッド)もバレットの周囲を嗅ぎまわり始めた。セバスチャンは、ジョナサンたちに捕らえられるが、そのとき心から愛していたラバが手下たちから面白半分で殺されてしまう。激怒したセバスチャンは、反撃に転じ、手下たちを倒すとなんとバレットに1対1の決闘を挑むという思いがけない展開。

スーツに身を包んだ金持ちスタイルから革のチョッキをまとった本来のガンマンスタイルに変身したバレットは、決闘でセバスチャンを射殺する。本作の面白さは、ここから始まる対バレットの決闘4連発。セバスチャンをはじめ、多くの敵をつくっていたバレットに次々と挑戦者が挑んでくる。悪党が正義派たちを次々に屠っていく「荒野のみな殺し(66)」に通じる見せ場だ。

続く挑戦者は、なんとバレットの恋人ナンシー(モニカ・ランダル)。ナンシーは、バレットの背に父の仇の証である焼き印を見つけたのである。背後からライフルを突きつけるナンシーを情け容赦なく射殺したバレットに今度は、黒づくめのガンマンが挑戦する。冒頭から顔を見せない黒衣のガンマンが、バレットの手下たちを射殺するシーンが挿入されており、当然、流れ者カルダーであることを予想していたところ正体を現わした黒衣のガンマンは、腹心のジョナサンであった。やはり、バレットに恨みをもつ彼はバレットに近寄り復讐の機会を窺がっていたのだ。響く銃声、無傷で外に出てきたのはバレットだった。そこで待ち受けるカルダー、バレットはここでついに力尽きる。カルダーは、政府から派遣されたエージェントだった。

このラストの怒涛の展開が、悪役ながら、ピエール・ブリスが主演である所以。カルダーを演じるスティーブン・テッドは、髪型といい、長いフリンジのついた衣装といい、エルビス・プレスリーを意識していることは、確か。さらに、本作は元々スペイン製だが、イタリアで再編集されて公開されており、全く別の展開をみせるバージョンになっているらしい。公開年度が複数に渡っているのもそうした理由によるものだ。