「進撃0号作戦(73)」

CHE C’ENTRIAMO NOI CON LA RIVOLUZIONE(伊)「革命の最中、俺はいったい何をしてるんだ」、WHAT AM I DOING IN THE MIDDLE OF THE REVOLUTION(英) 「革命の最中、俺はいったい何をしてるんだ」劇場公開作品

カテゴリー(PaoLo Villaggio)

監督セルジオ・コルブッチ、脚本セルジオ・コルブッチ、撮影アレハンドロ・ウロア、音楽エンニオ・モリコーネ、出演ビットリオ・ガスマン、パオロ・ビラッジオ、エドワルド・ファハルド、レオ・アンチェリス、リカルド・ガローネ、ビクター・イスラエル

セルジオ・レオーネが「夕陽のギャングたち(70)」でマカロニウエスタンから手を 引いたのと同じくマカロニを支えたもう一方の雄コルブッチ監督最後のマカロニウエスタンもやはりメキシコ革命劇である本作品であった。日本題名のつけかたを見ても分かる通り、当時、本作品は戦争コメディといった感覚で公開され西部劇として数えられていなかった。しかし「豹ジャガー(68)」「ガンマン大連合(70)」等をマカロニウエスタンと考えるならば、革命軍と政府軍の戦いを描く本作品も当然マカロニウエスタンの範疇に入れて考えなければならないだろう。しかも、マカロニに対しては厳しい見方を貫いていた当時のキネマ旬報が高い評価を下しているように本作品は陰に隠れた傑作なのである。

内容は当然のことながら、それまでのマカロニと一味も二味も違う。主役はガン マンや用心棒ではないシェークスピアの作品を演じる田舎俳優のグイード。この役をイタリアではシェークスピアものの舞台俳優として有名なビットリオ・ガスマンが演じているところがおもしろい。マカロニにはそれまで縁のなかった彼だがそのものズバリの役柄を楽しそうに演じている。

メキシコに出稼ぎに来ていた俳優のグイード(ビットリオ・ガスマン)は、カラスコ(レオ・アンチェリス)率いる革命軍とヘレーロ大佐(エドワルド・ファハルド)率いる政府軍との争いに巻き込まれて行く。両軍とも俳優であるグイードの演技力を生かして戦いを有利に導くためグイードを自らの陣営に取り込もうとしているのだ。彼らの追跡をふりきって逃げ込んだ教会のアルビノ神父(パオロ・ビラッジオ)の協力を得ながら対立する両軍の間を巧みに立ち回り何とか故郷イタリアへ帰ろうと四苦八苦するグイード。アルビノ神父は、グイードのおかげで自らの赴任地行きと布教活動を邪魔され、厄介者としてグイードとの関係を断とうとする。

しかし、コンビでの逃亡を続けるうちに二人の間に確かな友情が芽生え始める。コメディの味付けがなされているが、だまし討ちで革命軍が皆殺しにされるシーンは壮絶。そして本作品の価値を決めているのが、脅されて革命の英雄サパタの身代わりを演じていたはずの主人公が自らの死を覚悟して熱弁を振るうラスト。親友のアルビノ神父の手に抱かれながら息を引き取ろうとするシーンにモリコーネの軽快な音楽が流れストップモーションとなるこのシーンは多分にレオーネの「夕陽のギャングたち(71)」を意識しているのではないかと思われる。自らの意地を掛けて命を投げ出す男の生き様というコルブッチの美学はマカロニ最後の作品まで貫かれたのだった。