「バラと酒と亡霊と(74)」

WHISKEY E FANTASMI(伊)「ウイスキーと幽霊」、WHISKEY AND GHOST(英)「ウイスキーと幽霊」TV公開題名「バラと酒と亡霊と」

カテゴリー(Tom Scott)

監督アンソニー・M・ドースン、脚本アントニオ・マルゲリッティ(アンソニー・ドースン)、ジョバンニ・シモネッリ、撮影アレハンドロ・ウロア、音楽パオロ・バジル、出演トム・スコット、フレッド・ハリス、ホルヘ・リガウド、マルベル・マルティン、リカルド・パラシオス、フランコ・フラティーニ、エリサ・ザバラ

アンソニー・M・ドースンが監督した軽いコメディ作品。幽霊が登場するという異色作ではあるが、チープなワイヤーワークを使った画面と全く山場のない脚本で情けない出来で終わってしまった。

いんちきなウイスキーを売りの若者ナポレオン・ヒギンズ(トム・スコット)が、インディアンの墓地でたまたま出くわしたのが西部の英雄デイビー・クロケットの幽霊(フレッド・ハリス)。クロケットの幽霊からかつての恋人ケイティ婆さん(エリサ・ザバラ)への届け物を依頼されたナポレオンは、その途中で列車強盗を働く山賊ガルシア(リカルド・パラシオス)一味と影の黒幕である町のボス(ホルヘ・リガウド)のたくらみを阻止して町の英雄に祭り上げられる。そのまま彼は、町を守る役割を引き受けることになるが、幽霊の手助けで立派にその任を全うし、ケイティ婆さんの孫娘ロージー(マルベル・マルティン)との恋も成就させるという話。

他作品の使い回し場面ではなく、撃ち合いや列車強盗、爆破のシーンも多く描かれており、そこそこの予算が使われていることが分かる。しかし、主人公がガンの使い手ではないただのお調子者で、幽霊のなんでもありの能力で助けてもらうという物語だけにさっぱり盛り上がらない。マカロニウエスタンの良さは全く出ておらず、テレビでも公開されたのが不思議な低レベルの作品である。

他の作品では、もじゃもじゃの頭をした粗野で大柄な山賊といった役柄専門のフレッド・ハリスがデイビー・クロケットの幽霊という重要な役割を演じているところと、音楽がかろうじてマカロニの体裁を保っている点だけが救いか。奇妙な日本のTV公開題名だが、当時のNHK大河ドラマが、加藤剛主演の「風と雲と虹と」であり、名作「酒とバラの日々」と掛け合わせたものだろうが、西部劇であることすら伝わらない、あまりにも調子はずれなセンスだ。