「地獄の一匹狼(69)」

VIVO PER LA TUA MORTE(伊)「俺は貴様の死のために生きる」LONG RIDE FROM HELL(英)「地獄からの遠乗り」劇場公開作品

カテゴリー(Steve Reeves)

監督アレックス・バークス(カミロ・パゾーニ)、脚本スティーブ・リーブス、ロベルト・ナターレ、撮影エンツォ・バルボーニ、音楽カルロ・サビーナ、出演スティーブ・リーブス、ディック・パルマー、ウエイド・プレストン、シルバーナ・ベンチュエリ、ロザルバ・ネリ、フランコ・ファンタジア、ネロ・パッツォフィーニ

ミスターユニバースのマッチョマン、スティーブ・リーブスの主演作、ボディビル出身の映画スターということでアーノルド・シュワルツネガーの先輩格に当たるリーブスは、その見事な体格を生かしたヘラクレス役者として数々の史劇に主演していた。この作品は、史劇の延長で、彼がマカロニウエスタンにゲストで主演したという感じだ。

馬泥棒を追跡していたスタージェス牧場の長男マイク(スティーブ・リーブス)の一行が、鉄道線路脇でキャンプを張っているすぐ傍で貨物列車が襲われ、積み荷の金貨が強奪されるという事件が発生する。嫌疑をかけられたマイクは、保安官のフレマン(ディック・パルマー)により逮捕され、十分な裁判も受けられないまま刑務所に送られてしまう。しかし、マイクは残酷な看守ビル・サベージ(ネロ・パッツォフィーニ)たちの横暴に対する刑務所内の暴動に乗じて脱獄する。牧場に戻ったマイクは、もはや廃墟と化した牧場で、母の死を知らされた。復讐を誓うマイク。やがて彼がつきとめた真犯人は、友人を装って彼らに忠告していた鉄道警備隊のメイナー(ウエイド・プレストン)と、フレマン保安官であった。馬泥棒も最初からスタージェス一家に罪を着せようとして仕組まれたものだったのだ。

正に何度も繰り返し用いられて来た典型的マカロニの復讐物語で、スティーブ・リーブスも体力を生かした軽快なガンプレイを随所にみせている。しかし、物語の密度からすると映画の大半が刑務所から逃亡する過程で構成されており、逃げる方が中心になって、ヒーローが颯爽とした姿を見せるのは後半のみ。さらに、逃亡中の折々にアルド・サムブレルやネロ・パゾフィーニらマカロニの常連悪役達が、次々に登場し、彼らとの対決を1つ1つこなしているため、最も憎むべき敵であるメイナーとの対決が宿命の対決として浮かび上がってこない。

結局、最初と最後にだけ登場するメイナーとの対決も、殴り合いで決着してしまい、ラストのガンプレイに期待をつないでいるファンは、これで期待を裏切られてしまう結果となった。そうしたマイナス面に目をつむれば、エンツォ・バルボーニのカメラワークや、カルロ・サビーナの音楽によりマカロニらしさが十分堪能できる劇場公開作品だ。