「復讐には復讐(68)」

VENDETTA PER VENDETTA(伊)「復讐には復讐」、REVENGE FOR REVENGE(英)「復讐には復讐」劇場未公開

カテゴリー(John Hamilton)

監督レイ・キャロウエイ(マリオ・コルッチ)、脚本マリオ・コルッチ、撮影ジュゼッペ・アクアリ、音楽フランチェスコ・ラバニーノ、出演ジョン・ハミルトン(ジャンニ・メディチ)、ジョン・アイアランド、ロレダナ・ヌシアク、ジョバンニ・イワン・スクラトグリア、テモ・キャピターニ、ジュゼッペ・ラウリセラ

「新・荒野の用心棒(68)」のウイリアム・ボガートの例にみる通り、マカロニウエスタンというジャンルは、思いがけないキャストを起用することによってその俳優の個性を輝かせることがある。ジョン・ハミルトンことジャンニ・メディチも他の作品では脇役か悪党の手下役だが、本作品で演じた主人公キャラコのニヒルな魅力は特筆もの。オープニングからそのクールな登場の仕方でマカロニのムードを盛り上げる。

流れ者キャラコ(ジョン・ハミルトン)がやって来た町はバウワー少佐(ジョン・アイアランド)の一味が町のボスとして君臨している恐怖の町。なんと、少佐の妻クララ(ロレダナ・ヌシアク)は、キャラコのかつての恋人であった。冷酷な夫の元からキャラコのところへ逃げて来たクララだったが、やがてそれは少佐の知るところとなり、浮気相手のキャラコは捕らえられる。しかも、クララは怒り狂った少佐に激しく殴られた弾みに頭部を強打して命を落としてしまうのだった。少佐の屋敷に幽閉されてリンチを食らい、絶体絶命のキャラコ。しかし、かねてから少佐の支配に不満を抱いていた酒場の主人ベッカー(ジュゼッペ・ラウリセラ)とその娘サンディ(コニー・カラチョーロ)は、50パーセントをもらう約束を取り付けて、少佐が隠し持った砂金の在処を教えた上キャラコを逃がす。ベッカーの依頼通り屋敷の植え込みの中に隠されていた砂金を盗み出したキャラコは、かつての恋人と自らの復讐のため少佐の砂金を餌にして一味を1人で迎え撃つのであった。

原題通り、復讐には復讐で対抗する物語展開。ラストで一人砂金を持ち逃げしようとしたサンディが撃たれ、砂金が塵となって風に舞い上がるシーンのバック流れるフランチェスコ・ラバニーノの口笛のメロディもなかなか格好良い。少佐が、殴り殺した妻のことを想い公開する描写なども挿入されて、極悪非道の悪党として描かれていないため、キャラコの復讐も少佐の殺害ではなく、財産を全て水泡に帰すレベルで復讐を終わらせてしまう。その点が生ぬるいと本作の評価は海外ではあまり高くないが、際立った個性をもつキャラコとバウワー少佐というキャラクター、豊富な撃ち合いのジーンと、マカロニらしくカッコ良い画面づくりが、おすすめの未公開作品だ。