「表か裏か(69)」

TESTA O CROCE(伊)「表か裏か」、HEADS OR TAILS(英)「表か裏か」劇場未公開

カテゴリー(John Ericson)

監督ピーター・E・スタンレー(ピエロ・ピエロッティ)、脚本ピエロ・ピエロッティ、撮影ファウスト・ザッコーリ、音楽カルロ・サビーナ、出演ジョン・エリクソン、エドウィージュ・フィーネッシュ、イサルコ・ザビオリ、フランコ・ランティエリ、ダニエラ・シュリナ

酒場の花形だった歌姫のシャンダ(シェイラ・ロジン)は身に覚えのない銀行家バートン殺しの嫌疑をかけられて逮捕される。おりしも町では、婦人会による風紀改善運動が展開されており、酒場の女たちはことごとくリンチにさらされるという事態が発生していた。保安官(イサルコ・ラビオリ)は、シャンダの命を守るため2人の保安官助手に護衛させて他の町に移送させることにするが、なんと保安官助手たちはシャンダを暴行して、荒野に置き去りにしてしまう。そこに通りかかったのが、お尋ね者ブラック・タリスマンことウイリアム・ハストン(ジョン・エリクソン)。ハストンに助けられたシャンダは、頑なにハストンを拒絶するが、この粗野なお尋ね者の真の優しさに触れることで徐々に心を開き、ハストンにことのなりゆきを打ち明ける。シャンダのために一肌脱ぐ決意をしたハストンは、町にギャンブラーとして乗り込み、2人の保安官助手を始末し、事件の真相を解明していく。

真の悪人はバートンの未亡人シビル(ダニエラ・シュリナ)であった。シビルを色仕掛けで口説き、実行犯に真実を白状させたハストンは、シビルを火のついた小屋に置き去りにするという残酷な方法で報復を果たす。保安官を留置場に閉じ込めた状態で全てを告発したハストンは、後から迎えに行くことを約束してシャンダと別れ、1人ゴーストタウンに立てこもる。

そこに保安官とその助手たちが、大挙して乗り込んできた。「続・さすらいの一匹狼(65)」の、ジュリアーノ・ジェンマは、似たようなシチエーションで、相手が自警団だろうがお構いなしにバッタバッタと撃ち殺していたが、本作のハストンはいたって常識的。弾丸を空にして外に出ていくハストンを非情の銃弾が貫くのだった。

「表か裏か」という題名は、主演のハストンが何かを決断するときに必ずコインを投げ上げて決めることに由来する。ラスト、保安官たちと徹底抗戦か、投降かを決めるときもこの方法で投降を決断するのである。愛する女性のために全てをなげうつ男の生きざまを描くという点では、注目すべき作品といえる。主題歌「ARIZONA WAITING」もマカロニらしい哀愁を伝えている。