「さすらいのガンマン・回転逆手撃ち(68)」

VENTIMILA DOLLARI SUL SETTE(伊)「7番の上の20000ドル」、TWENTY THOUSAND DOLLARS FOR SEVEN(英)「7番の上の20000ドル」劇場未公開、TV公開題名「さすらいのガンマン・回転逆手撃ち」

カテゴリー(Jerry Wilson)

監督アルバート・カーディフ、脚本アルベルト・カルドーネ(アルバート・カーディフ)、ロベルト・ミアーリ、撮影ジノ・サンティーニ、音楽フランコ・レターノ、出演ジェリー・ウイルソン、マイク・アンソニー、オーロラ・バティスタ、テオドラ・コーラ、スパルタコ・コンバルシ

本作品はブレット・ハルゼイ主演の「KIDNAPPING! PAGA O UCCIDIAMO TUO FIGLIO(69)(荒野の身代金)」の別題名「VENTIMILA DOLLARI SPORCHI DI SANGUE(血で穢れた2万ドル)」と混同されることが多く、作品を特定することが難しい作品の一つ。日本でも標題の通りTV公開されているのだが、「さすらいのガンマン」と題名がつけられたために、バート・レイノルズ主演作品との混同もしばしば生じているようだ。本作の正体は「地獄から来たプロガンマン(66)」で、ステファンと生き別れになった息子を演じたジェリー・ウイルソンが同じスタイルで主演し、同じくアルベルト・カルドーネが監督した作品だ。

町のボス、ジャック・コリンズ(マイク・アンソニー)の策略で殺された兄レーガンの死の真相を探りに来た若くてスタイリッシュなガンマン、ジェリー・キンギオ(ジェリー・ウイルソン)が2人の相棒と協力しながら、仇討ちを果たすまでが描かれる。相棒の一人スチール(テオドラ・コーラ)は、ガンスミスの発明狂という設定があるため、酒場のレジや馬小屋の鍵など様々な箇所に仕掛けられた改造拳銃が面白く、主演のジェリー・ウイルソンが見せる軽快なアクションと共にテレビ公開作品の中でも楽しんで見られた1本。

手を背後に回して時計の文字盤を打ち抜いたり、銃を捨てると見せかけて手首を返して撃ったりするガンプレイも豊富だ。中でも笑ってしまうのがラストの大逆転。兄を殺した真の宿敵は、コリンズではなく、その手下であるグリンゴ(スパルタコ・コンバルシ)であることが明らかにされるが、ジェリーは銃を弾き飛ばされ絶体絶命。ところが、ジェリーは、死体が握っている拳銃の撃鉄をこっそりと足で起こし、蹴りとばして弾丸を発射させるというあまりに成り行き任せの殺法で逆転に成功する。マンガのような発想はBマカロニならではの魅力だが、これはあまりにやりすぎだろう。

しかも、尺を伸ばすためにか、非常にテンポが悪く、一つの出来事にまつわるシーンがだらだらと続くのも大きな欠点。海外のファンからも、この作品が、「砂塵に血を吐け」と同じ監督の手による作品とは信じられないと酷評されている。ちなみに脚本を担当しているロベルト・ミアーリは、主演ジェリー・ウイルソンの実名だ。