「目の玉にさく裂する拳のために(65)」

POR UN PUGNO NELL’OCCHIO(伊)「目ん玉に炸裂する拳のために」FOR A FIST IN THE EYE(英)「目ん玉に炸裂する拳のために」

カテゴリー(Comedian)

監督ミケーレ・ルーポ、脚本エドワルド・M・ブロチェロ、撮影ジュリオ・オルタス、音楽マニュエル・パラダ(フランチェスコ・デマージ)、出演チッチョ・イングラシア、フランコ・フランキ、フランシスコ・モラン、モニカ・ランダル、ヘスス・ピエンテ、リナ・ロザレス

チッチョとフランコがマカロニウエスタンをパロディ化した初期の作品。チッチョとフランコは、主演したコメディマカロニのほとんどにおいてレオーネ作品をはじめとする主要なマカロニウエスタンのパロディ場面を取り入れているが、本作品は徹底した「荒野の用心棒(64)」のパロディ。ただし、拳銃のセールスマンである2人の男(チッチョとフランコ)が流れてきた町は2組の暴力集団が対立しているわけではなく、アメリカの軍隊とメキシコの軍隊が対峙している国境の町という設定。

メキシコのフェルナンデス大尉(ヘスス・ピエンテ)の妻(リナ・ロザレス)にアメリカ軍の大尉ラモン・ココス(フランシスコ・モラン)が横恋慕したことから巻き起こるドタバタをチッチョとフランコが引っ掻き回す。子供達を相手にして「パチンコと銃を持った男が出会ったとき、倒れるのはパチンコをもった男の方だ」と大人気なく子供たちを脅しながら、逆にパチンコで追い払われる冒頭に始まり、ラストのトマトの缶詰をポンチョの下に装備して相手の弾丸を防ぐギャグまで「荒野の用心棒」のセットをそのまま使った、豊富なギャグはチッチョとフランコものの真骨頂。登場人物達も「荒野の用心棒」のキャラクターそっくりの扮装で登場するが、オリジナルの宿敵ラモンに相当するキャラはメキシコ軍のフェルナンデス大尉。彼もまたラモン同様に鎧の心臓部めがけてウインチェスターで撃ち抜く名手であるという設定であるため、最後のオチが生きてくる。

フランチェスコ・デマージの音楽もマカロニ節、コメディ調と様々な要素を含んだバラエティに富んだ曲だ。不可思議な原題名は、メキシコ軍の馬車をのぞこうとしたフランコが目の上にパンチを食って青タンをつくってしまうエピソードによるもの。