「夕陽のギンコーマン(66)」

PER QUALCHE DOLLARO IN MENO(伊)「より少ないドルのために」、FOR A FEW DOLLERS LESS(英)「より少ないドルのために」劇場未公開

カテゴリー(Comedian)

監督マリオ・マトーリ、脚本マリオ・グエラ、ブルーノ・コルブッチ、ビットリア・ビーギ、撮影ジュゼッペ・アクアリ、音楽マルチェロ・ジョンビーニ、出演ランド・バザンカ、レイモンド・バイアネロ、エリオ・バンドルフィ、バレリア・チャンゴティーニ、カルロ・ビサカーネ、ルイジ・パバーゼ

彼方に馬を走らせる相手を鼻歌まじりに1発の銃弾で倒す姿の見えないガンマン。その様子をロングショットでとらえ、タイトルへとつないでいくあまりにも見事な「夕陽のガンマン(65)」のオープニング。そのシーンとそっくりのシーンで始まるこの作品は何発撃っても馬上の相手を倒すことができず、とうとう「続・夕陽のガンマン(66)」ばりに大砲をもって来てぶっぱなす始末とあいなる。

万事がこの調子で徹底的に「夕陽のガンマン」のパロディ化を試みた作品。原案をなんとセルジオ・コルブッチが担当しているだけに元ネタをうまく生かして笑える作品に仕上がっている。銀行員のビル(ランド・バザンカ)は、帳簿の数値が合わなくなったことから、銀行から逃走し従兄のフランク(レイモンド・バイアネロ)に相談する。しかし、フランクの会社も倒産した後で、彼も金に困っている状態だった。そこで、フランクは、強盗を働いたビルを捕らえて賞金をせしめるという「続・夕陽のガンマン」方式の金儲けを提案し、さっそく実行に移すことになる。

しかし、間の抜けたビルのおかげで何一つうまくいかず、結局、悪事をはたらく前に捕らえられ牢にぶち込まれたビルはそこで死刑囚の山賊メキシカン(エリオ・パンドルフィ)に出会う。このメキシカンは、フランクとの因縁を抱える相手だったのである。ラストで明らかにされる因縁の真相は、フランクが品評会に出そうとしていた子豚のキャロラインをメキシカンが盗んでソーセージにしてしまったことへの仇討であった。

懐中時計ならぬ箱型の大型オルゴールの音を合図に決闘するフランクとメキシカン。しかし、音楽はなかなか鳴りやまず、待ちくたびれて一同が眠ってしまうという結末。ランド・バザンカ、レイモンド・バイアネロ、エリオ・パンドルフィのそれぞれが「夕陽のガンマン」の3人の主人公とそっくりな、いで立ちで登場するのも楽しい。日本のDVD化にあたって「夕陽のギンコーマン」という題名がつけられたが、「より少ないドルのために」という原題は日本流の題名にすればさしずめ「珍・夕陽のガンマン」といったところか相応しい気がするのだが、どうだろうか。