「グランド・キャニオンの大虐殺(64)」

MASSACRO AL GRANDE CANYON(伊「グランド・キャニオンの虐殺」、 MASSACRE AT GRAND CANYON(英)「グランド・キャニオンの虐殺」劇場未公開、TV公開題名「グランド・キャニオンの大虐殺」

カテゴリー(James Mitchum)

監督スタンリー・コルベット(セルジオ・コルブッチ)、脚本アルバート・バンド、セルジオ・コルブッチ、撮影エンゾ・バルボーニ、音楽ジャンニ・フェリオ、出演ジェームス・ミッチャム、ジル・パワーズ、ジャコモ・ロッシ・スチュワート、ジョージ・アルディソン、アンドレア・ジョルダーナ

コルブッチ監督によって手掛けられた最初の西部劇作品。勿論、その後のコルブッチの手になる数々の傑作群とは比較することはできないが、コルブッチらしいアクションや激しい銃撃戦も用意されており、「荒野の用心棒(64)」公開以前に制作された中では最もマカロニウエスタンらしい作品といえるだろう。

父親を殺されその犯人を捜すために旅をしているウェス・エバンス(ジェームス・ミッチャム)が故郷の町に帰って来ると、そこでは牧草地を巡ってダンサー家とホイットモア家の両家が争っている最中で、かつての恋人ナンシー(ジル・パワーズ)は、ダンサー家の長男ルディ(ジョージ・アルディソン)の妻になっていた。そのことに動揺しながらも、ウェスは、ナンシーのためにも両家の争いを終結させようと奔走する。

しかし、ダンサー家は、ならず者マンソン兄弟を雇い入れ、保安官事務所を襲撃して保安官バート(ジャコモ・ロッシ・スチュワート)を殺害するという暴挙に出る。一方のホイットモア家もダンサー家の末息子である年若い少年クレイ(アンドレア・ジョルダーナ)を誘拐して報復。両家の血で血を洗う構想はますます激しさを増していくのであった。

ついにホイットモア家が、峡谷でダンサー家を待ち伏せして皆殺し、争いに終止符が打たれるというマカロニウエスタンらしい乱暴な幕切れを迎える。ちなみに「グランド・キャニオンの大虐殺」という日本のTV公開時の題名はこの場面を意味している。しかし、一族皆殺しのため縛り首にされそうになっていたクレイをウェスがホイットモア家を説得して救出し、病に伏しているダンサー家の家長と共に去っていくという穏やかな結末も、付け加えられている。

注目すべきはちょっと変わった配役で、マカロニ常連の若き姿が見られて面白い。父の仇討ちよりも、両家の争いをやめさせようと奔走する主人公ウェスを演じるは、米国名優ロバート・ミッチャムの息子であるジェームス・ミッチャム。その宿敵となるダンサー家長男ルディをジョージ・アルディソン、人質にされるその弟クレイをなんとアンドレア・ジョルダーナが演じている。線が細く弱々しい少年の役を演じているのだが、時折見せる眼光の鋭さは後のマカロニスターのものだ。