「明日なき夕陽(74)」

BREVI VITA FELICE DEL FATELLI BLUE(伊)「ブルーの短い命と幸せ」、BROTHERS BLUE(英)「ブルー兄弟」、劇場公開作品

カテゴリー(Guido Mannari)

監督マーク・マイヤー(ルイジ・パッツォーニ)、脚本アウグスト・カミニト、マリオ・ファネリ、撮影ビットリオ・ストラーロ、音楽トニー・レニス、出演ジャック・パランス、グイード・マンナリ、アントニオ・ファルジ、ティナ・オーモン、クララ・ムチャウスキー

「明日に向かって撃て」や「俺たちに明日はない」「イージーライダー」など社会に背を向けた若者の姿を通して青春像を描こうとしたニューシネマ。この流れをマカロニに持ち込んだ異色作。しかし、あっという間にすたれる運命にあったニューシネマ とやはり完全に終焉を迎えつつあったマカロニウエスタンの組み合わせというのだから、作品の話題性と内容の面白さも想像がつくだろう。ただし、音楽の編集指揮を「ロッキー」のビル・コンティが担当、さらにベルトルッチ作品や「地獄の黙示録」のビィットリオ・ストラーロが撮影を担当しているなど将来の大物たちがスタッフの中に名を連ねている点は、注目に値する。

主演は、ジャック・パランスとうたわれているが、実際彼が出演する場面は僅かしかなく、セリフもほとんどない。西部に押し寄せる巨大資本の波に対抗して「ブルー兄弟」なる強盗グループを組織して粋がる若者達カーン・ブルー(グイード・マンナリ)、ジョニー・ブルー(アントニオ・ファルジ)、ポニー(ティナ・オーモン)。彼らは、強盗を犯しては、得た金がなくなるまで遊びほうけて、金がなくなれば再び強盗を繰り返すという刹那的な生き方を繰り返す。放浪を繰り返す中で恋も芽生え、カーンとポニーの間で孤独を感じていたジョニーにも、ジェニー(クララ・ムチャウスキー)という恋人が出来て、ますます意気上がるブルー兄弟。しかし、強盗を繰り返す中で心ならずも殺人を犯さざるを得なくなった彼らの後を資本家の雇った殺し屋ヒルマン(ジャック・パランス)が追い詰めていく。ヒルマンの一味から包囲されての銃撃戦でカーンとポニーはかろうじて囲みを破って脱出するものの、ジェニーは殺され、ジョニーも重傷を負って刑務所の病院に収監される。

カー ンとポニーがジョニーを奪還に来ることを予想しながらも、ヒルマンは、刑務所の守りを意図的に緩める。カーンとポニーが牢を破り、ジョニーを救い出す様を建物の中から眺めていたヒルマンは、望遠スコープつきのライフルを手に取ると抵抗する術のない若者たちをゲームのように射殺していく。その姿に重なって明るいカントリー調のテーマ曲が重なってのラストとなる。無抵抗のまま射殺されていく主人公たちや、殺されたジェニーの死体から身ぐるみ剥がしていく市民の姿など、陰鬱な場面ばかりで何の救いもない。マカロニウエスタンの面白さとは遠く掛け離れた、暗い気持ちにさせられる1編だ。