「さらばチャマンゴ(69)」

ADIOS CJAMANGO(伊)「さらばチャマンゴ」、(英)ADIOS CJAMANGO「さらばチャマンゴ」劇場未公開

カテゴリー(Charles Quiney)

監督ハリー・フリーマン(ホセ・マリア・ザバルザ)、脚本ホセ・マリア・ザバルザ、撮影レオポルド・ビラセノア、音楽ジャンニ・マルセッチ、出演 カルロス・クイニー、クラウディア・グラビイ、ミゲル・デラ・リーバ、デラニク・サウラコウスカ、フランコ・ファンタジア、ホセ・トルチャド

圧倒的な存在感をもつキャラクター“ジャンゴ”にあやかって、その後のマカロニには「シャンゴ」「ガリンゴ」「デュランゴ」など多くの亜流ヒーローが登場した。この作品も ショーン・トッドが主演し、エドワード・G・ミューラーが監督した「チャマンゴ(67)」のキャラクターの名前だけ拝借した作品。監督ホセ・マリア・ザバルザは、本作品と2本のスペイン製を加えて3本のシリーズを制作しているが、おそらく同時に撮影したフィルムを3本につくりかえてしまったのであろうと推測され、それぞれが場面を使い回し、どれが本物なのか分からない程混乱している。

英語題名「TWENTY THOUSAND DOLLARS FOR EVERY CORPSE(71)」で知られるスペイン製作品は、「ADIOS CJAMANGO」として紹介されることもあるが、実は本作では主人公カップルを陰で支えるガンマンを演じるミゲル・デラ・・リーバ(マイク・リバース)が活躍する場面を主演に仕立てて編集し直した作品である。ホセ・マリア・ザバルザ監督の3部作の中で、本作はイタリア資本が絡んだマカロニウエスタン。しかし、やはりその内容はどう評価してよいか迷うトホホな出来。アラン(カルロス・クイニー)とペギー(クラウディア・グラビイ)の夫婦は、新居として購入した牧場を焼き討ちされ、放浪の旅を余儀なくされる。その途中で、駅馬車強盗の汚名を着せられて縛り首にされそうになったり、悪党の一味から虐げられているメキシコ人を助けたりといったエピソードがオムニバスのように挿入される。つなぎ合わせ作品を制作する目的で創られていることが明白なつくりだ。

さらにそのエンディングには、開いた口が塞がらなくなる。一つのエピソードが終わり、突然降り出した雨を避けるために雨宿りした廃墟になんと、何者かが隠したと思われる黄金を何の伏線もなく偶然に発見してハッピーエンドという幕切れ。ある意味、粗製濫造されたと言い尽くされたマカロニウエスタンの負の側面を象徴する場面ともいえるかもしれない。主演のカルロス・クイニーは、「ANCORA OLLARI PER MACGREGOR(70)」のワイルドな髭面とはうって変わってさっぱりと髭をそり落としたカウボーイ姿での登場だが、ストーリーがこれでは作品の価値をカバーすることはできない。