「山賊マルペロ(71)」

IL LUNGO GIORNO DELLA VIOLENZA(伊)「暴力の長き1日」、THE BANDIT MALPELO(英)「山賊マルペロ」劇場未公開

カテゴリー(Eduardo Fajardo)

監督ジュゼッペ・マリア・スコイーズ、脚本エドワルド・マンサノス・ブロチェロ、撮影ジャン・パオロ・サンティーニ、音楽マルチェロ・ジョンビーニ、出演エドワルド・ファハルド、ジョージ・ガーベル、チャロ・ロペス、リタ・フォリツアーノ、ホセ・ニエト

マカロニウエスタンにおける貴重な名悪役、脇役であるエドワルド・ファハルド。本作は、そんな彼が主役を張り、メキシコ革命を真正面から描いた硬派な作品である。革命の理想に燃える青年ディエゴ・メディナ(ジョージ・ガーベル)は、サカテカスの都市防衛に関わる秘密書類を叔父から盗み出し、それをパンチョ・ビラに提供しようと考える。そのための案内役兼護衛役を革命軍と名乗る盗賊一味の首領マルペロ(エドワルド・ファハルド)に依頼する。5万ペソの報酬と、革命正規軍の大佐の地位を約束してマルペロと旅立ったディエゴたちの後を政府軍が追う。粗野な山賊にすぎなかったマルペロだったが、ディエゴとの旅で徐々に革命の理想に目覚めていくのだった。

しかし、政府軍のやり方は冷酷を極め、彼らをかくまうメキシコの村人まで虐殺されてしまう。怒り狂ったマルペロは、単身政府軍に戦いを挑み、決闘で司令官を倒すものの多勢に無勢で危機に陥るが、駆け付けた山賊の仲間たちによって反撃に成功する。それでも、勢力を増強してマルペロとディエゴへの追跡を続ける政府軍の手によって仲間たちは一人、また一人と倒されていく。ついに、マルペロも捕らえられ、ディエゴの居所を厳しく尋問される。しかしマルペロは決して口を割ろうとしない。ついにマルペロは銃殺刑に処せられる。マルペロの意思を受け継ぐ決意を固めた、ディエゴは、ボロボロになりながらもやっと革命正規軍の砦に辿り着く。しかし、ただ一人で砦の前に立った得体のしれないディエゴに対して歩哨は、情け容赦のない銃弾を放つのだった。

「殺しが静かにやって来る(68)」に匹敵するほどの暗澹たる気分にさせられる救いのないラスト。しかし、理想を説きながらも革命は暴力に過ぎないという主張はしっかりと伝わって来る、なかなか上質な結末だといえる。エドワルド・ファハルドも倒れ込みながら背面撃ちを見せるなど、要所で見せるアクションシーンも豊富。話題に上ることは少ないが、拾い物の一本だ。