「アーメンという男(72)」

COSI SIA(伊)「アーメン(かくあるべし)」、MAN CALLED AMEN(英)「アーメンという男」、劇場未公開

カテゴリー(Luc Merenda)

監督アルフィオ・カルタビアーノ、脚本アルフィオ・カルタビアーノ、アドリアーノ・ボルゾーニ、撮影リカルド・パロッチィーニ、音楽ダニエラ・パツッキ、出演リュック・メランダ、アルフィオ・カルタビアーノ、シドニー・ローム、レナート・システィエ、タノ・シマローザ、ダン・メイ、フリオ・メニコーリ

痛快作「拳銃のバラード(67)」を演出したアルフィオ・カルタビアーノの作品で例によって監督自ら俳優としても出演している。

流れ者のアーメン(リュック・メランダ)が、鍛冶屋と司祭を兼ねるスミス(アルフィオ・カルタビアーノ)の元を訪れる。スミスの正体は腕利きの金庫破りだった。スミスと組んで金庫破りを画策するアーメンはスリの少年(レナート・システィエ)やバーテンダーを仲間に加えて銀行から大金を奪うが、その金はまんまと山賊のチャコ(タノ・シマローザ)一味に奪われてしまう。しかし、チャコが奪った札はすべて偽札だった。金の独り占めを図ったアーメンが偽札にすり替えていたのだ。という具合に騙し騙されという金の奪い合いが繰り返され、最後には町に赴任してきていた美人教師(シドニー・ローム)が全ての金を手に入れて、アーメンとスミスが彼女の後を追ってエンドタイトルという泥棒コメディ。

撃ち合いはあっても人は死なず、陽気なテーマ曲が全編に流れる作品で、一連のギャング映画で熱血刑事役を演じた若手俳優リュック・メランダが主演しているのがうれしい。彼はマカロニ向きのクールな個性をもっていて、特に目深に被ったソンブレロから目だけを覗かせて登場する開幕はそれからの展開に大きな期待を抱かせる。ところが、その後はやたらとズボンを脱ぐ下品なギャグが繰り返されるだけで、ニヒルなメランダの演技が浮いてしまっている。結局、人によってはワーストに数えられてしまう失敗作となってしまった。

カルタビアーノの演出も「拳銃のバラード」とは比べることもできないほどおそまつだ。しかし、中盤の山賊との撃ち合いではメランダとカルタビアーノがカッコいいフ ァニングや「拳銃のバラード」のベドージャばりの片手ライフル撃ちなどを披露してくれる。また、抜群の身体能力をもつメランダは、鐙を使わずひらりと馬にまたがったり、拳を使わず蹴りだけで酒場の殴り合いを制したりと、見せ場は多い。コメディではなく、ストレートなマカロニウエスタンとして仕上げれば観賞に耐え得る作品になったのではないかと悔やまれる。それでいて、続編「MAMMA MIA E ARRIVATO COSI SIA」も制作された訳だから、こうしたギャグもイタリア本国では好まれるのかもしれない。