「砂塵に煙るガンマンあわれ(68)」

L’UOMO VENUTO PER UCCIDERE(伊)「殺すために来た男」、RATTLER KID(英)「ラトラーキッド」劇場未公開、TV公開題名「決闘荒野のサボテン」「砂塵に煙るガンマンあわれ」

カテゴリー(Richard Wyler)

監督レオン・クリモフスキー、脚本ルイジ・モンデーロ、エドワルド・フィオリー、撮影フリオ・オルタス、音楽フランチェスコ・デ・マージ、出演リチャード・ワイラー、ブラッド・ハリス、ウイリアム・ボガート、ヘスス・ピエンテ、フランク・ブラーニャ、ルイス・インド-ニ、フェミー・ベニッシュ、

「ガンクレージー(66)」で主演しながら、悪役のトーマス・ミリアンにその存在感を奪われてしまったリチャード・ワイラーの主演作。騎兵隊の兵士トニー・ガーネット(リチャード・ワイラー)は、歩哨に立っているところを背後から襲われ、上官殺しと軍の給与強奪の汚名を着せられてしまう。しかし、処刑される寸前で、彼を信用する牧師の協力により脱獄に成功し、彼を陥れた真犯人を追跡する。

ガーネットの脱獄を知り亡きものにしようと図った真犯人の一人であるインディアンを返り討ちにして、一味の名と特徴を聞き出すと、ガーネットはお尋ね者ラトラー・キッドとなって復讐を開始する。後はお定まりの復讐物語なのだが、マカロニには珍しく小学校の描写があり、主人公がかつての恩師ターナー先生(ヘスス・ピエンテ)と心の交流を交わす場面が、本作品の特徴といえる。最後の仇である従兄弟のリフ・ゴンザレス(ウイリアム・ボガート)とサボテンをムチのような武器にして対決。残酷な殴り合いの果てに倒すが、このあとガーネットの馬が毒蛇に襲われ馬を無くしたことで、無実の罪をはらすためにダラダラとゴンザレスを引き回すシーンが続くのは余計。せっかく工夫を凝らした対決シーンの余韻を薄れさせる効果しかない。

それだけでなく、陥れて死刑になるはずだった従兄弟のガーネットをゴンザレスがわざわざ仲間に引き入れたり、真犯人たちを簡単にガーネットがつきとめることが出来たりと、テレビ公開された作品の中でも脚本の杜撰さが目立った。なお、ブラッド・ハリスは、ガーネットをラトラー・キッドとして捕らえようとしながらも最後に彼を信じる正義の保安官ビル・マナーズを演じているが、このキャラクターも本筋とはほとんど関係がない。音楽もデマージ作品の使い回しで終わっている残念な作品だ。しかし、日本未公開のZ級レベルの作品群と比較すると、本作もまだましな方だろう。