「賞金稼ぎの鎮魂歌(70)」

REQUIEM PER UN BOUNTY HUNTER(伊) 「賞金稼ぎの鎮魂歌」、REQUIEM FOR A BOUNTY HUNTER (英)「賞金稼ぎの鎮魂歌」劇場未公開

カテゴリー(Michael Forest)

監督マーク・ウォレス(アンジェロ・パンナッシオ)、脚本マーク・ウォレス、マウリツィオ・センティーニ、撮影ハイメ・デウ・カサス、音楽ダニエラ・パツッキ、出演マイケル・フォレスト、スティーブン・テッド、レイ・オコーナー、ローレンス・ビエン、トーマス・ルディ、チャット・デービス

英題名「DEATH PLAYED THE FLUTE(死の笛)」が本作品とは別の独立した作品と考えられたこともあったが、これらは同一の作品である。主人公のニック・バートン(マイケル・フォレスト)は、留守中を悪党の集団に襲われ、一人娘スージー(スザンナ・レビ)を除いて妻も父親も殺されてしまう。生き残ったスージーも暴行されたショックで魂の抜け殻同様になっていた。復讐を誓ったニックは、スージーを医師サイモン(チャット・デービス)に預けると自らは仇を探して旅立つ。

旅の途中で出会ったホイッスラーの異名で知られる凄腕のガンマン、キンブル(スティーブン・テッド)の腕を見込んだバートンは、彼に助太刀を頼むことにする。ホイッスラーの名は、キンブルがいつも首から下げた縦笛を吹いていることによってつけられた仇名だ。手強いキンブルの助成によって、バートンは仇のアジトを探し出し復讐を成就させる。しかし、出会った仇を問答無用ですぐに射殺するキンブルにバートンは疑念を抱き始めるのだった。

主人公はニック・バートンだが、本作品の中心キャラクターはスティーブン・テッド演じるガンマンのキンブル。黒い革のロングコートをまとい、たすき掛けのガンベルトに首から吊した笛を常に奏でているという独特の個性はマカロニならではのクールさ。ただの無精ひげではなく、長髪にもみあげを濃く伸ばした風貌も他の作品とはひと味違ったワイルドな格好良さだ。互いに危機を助け合いながら目的を果たしたニックとキンブルだったが、ラムソン(アントニオ・モリノ・ロホ)が率いるギャング団の一員であったキンブルはなんと一家殺し犯の一人だったのだ。

この事実は最初から明らかにされているため意外性はないが、ほとんど主人公であるキャラクターであったキンブルが、記憶を取り戻したスージーの手によって射殺されるラストはやはり衝撃的。スージーが記憶を取り戻すきっかけにサバタの奏でる笛の音がからんでくるという点も面白い。話があちこちに移り、破綻をきたしてしまう欠点はあるが、マカロニムード満点のキャラクターと流麗な音楽に出会うだけでも価値のある作品だ。