「12時のならず者(72)」

I BANDOLEROS DELLA DODICESIMA ORA(伊)「12時のならず者」、DESPERARD(英)「ならず者」劇場未公開

カテゴリー(Michael Forest)

監督アルフォンゾ・バルカザール、脚本アルフォンゾ・バルカザール、撮影ハイメ・デウ・カサス、音楽ウイリー・プレッツァ、出演マイケル・フォレスト、フレッド・ハリソン、マリサ・ロンゴ、パオロ・ゴッツリーノ、アントニオ・モリノ・ロホ

70年台のマカロニウエスタンの象徴ともいえる「風来坊」のイミテーションコメディ。主演は、米国のテレビ畑出身の俳優マイケル・フォレストと野獣そのままのイメージのフレッド・ハリスの二人組。フレッド・ハリスのイタリア名はフェルナンド・ビルバオ、「皆殺しのガンファイター(70)」等でゴリラのような巨体と髭面、そして、もじゃもじゃの頭髪で悪役の手下の中でも強烈な印象を残していたが、本作や「バラと酒と亡霊と(74)」等の作品では主役を演じることになった。ひげもじゃの大男という意味ではバッド・スペンサーと同種の役柄で、ゲンコツを相手の脳天にぶち かますハンマー・パンチの必殺技もそのままコピーしている。ただ、テレンス・ヒルとバッド・スペンサーの凸凹コンビに比べて、マイケル・フォレストもまたごつい大男であるため、二人が並ぶとフレッド・ハリスが普通の大きさに見えてしまうところは、ミスキャストといってもよいだろう。

物語は、たまたま列車強盗に出くわしたことで、再会を果たしたサクラメント(マイケル・フォレスト)とビッグ・ジム(フレッド・ハリス)の異母兄弟は、父親オールド・テキーラ(ジギー・ボノス)と合流し、呑気な旅を続ける。そんな中、いつのまにか農民と美しい未亡人バーバラ(マリサ・ロンゴ)を苦しめる銀行家グレイ(アントニオ・モリノ・ロホ)とのいざこざに巻き込まれることになった三人組は、悪党たちを殴り合いで叩きのめし、町に平和を取り戻すという、「風来坊」そっくりの展開。ガンバトルではなく、延々と続くラストののんびりした殴り合いを見ていると、「風来坊」がマカロニにとっていかに大きな分岐点だったのかが改めて認識できる。

それほどのヒットが期待されるとも思われない小作品の割には、ラストにやたらと派手な爆発シーンが連続し、西部の町のセットが破壊され尽くしていくが、これは元々解体が予定されていたセットをどうせ取り壊すなら、ということで本作の撮影に利用されたらしい。これほど大掛かりな爆破シーンを用意するなら、もう少し気の利いたストーリーや設定のマカロニウエスタンを制作してほしかったと感じるのは、私だけではないはずだ。