「カランボラ(74)」

CARAMBOLA(伊)「カランボラ」、CARAMBOLA(英)「カランボラ」劇場未公開

カテゴリー( Michael Coby)

監督フェルディナンド・ベルディ、脚本ミノ・ロイ、ニコ・ダッチ、フェルディナンド・ベルディ、撮影アイアス・パロリーニ、音楽フランコ・ビクシオ、ビンス・テンペラ、出演マイケル・コビー、ポール・スミス、ウイリアム・ポガート、ホルスト・フランク、ネロ・パッツォフィーニ、ペドロ・サンチェス

70年代マカロニの象徴となった「風来坊(70)」。その後数多くの亜流作品が生産されたが、この作品は「そこまでやるか?」と思わせる程徹底して、パロディ作である「風来坊」を更にパロディ化してしまったおふざけ作品。「カランボラ」とはビリヤードの技を示す名前で、この作品の冒頭は、賭博場のビリヤードゲームのシーンがから始まる。ビリヤードの秘技がトリニティシリーズお得意のコマ落としで撮影されているのがご愛嬌だ。しかし、フェルディナンド・ベルディが監督し、「ミッドナイト・エクスプレス」で冷酷な看守を演じて見るものを震撼させた名優ポール・スミスが主演しているのだから、これだけでも本格的な作品として楽しめる点も魅力である。

物語は、「風来坊」のキャラクターをそのまま他の俳優が演じた作品と解釈すれば良いかもしれない。ビリヤードの名手トビー(マイケル・コビー)は、元は軍のエージェント。軍は彼にメキシコ国境で取引されている武器の密輸の調査を依頼される。昔の相棒ブッチ(ポール・スミス)と協力することを条件に任務を引き受けたトビーだったが肝心のブッチはトビーを疫病神扱いして協力を拒む。一計を案じたトビーは、ブッチを罠にはめて監獄にぶち込み、共に監獄を脱獄することで、いつの間にかコンビを復活させることになってしまう。逃亡者となったトビーとブッチは、保安官との追いかけっこを楽しみながら、ついでに武器が列車の中で製造されているという悪だくみを暴いていく。

撃ち合いもほとんどなく、人も死なない。すぐに殴り合いとなるアクションは、残念ながらすこぶる退屈だ。また、トビーのビリヤードの名手という設定が、なんの意味ももたないところも名手ベルディ監督の演出にしては間が抜けているとしか思えない。見どころは、けたはずれに強いブッチとそんなブッチをからかうトビーのおとぼけギャグ。スペンサーとヒルの風来坊コンビとのそっくりさんぶりが笑わせる。加えてホルスト・フランク、ネロ・パッツォフィーニ、ペドロ・サンチェス、フランコ・ファンタジアらマカロニ悪役が勢ぞろいしている。「新・荒野の用心棒(68)」の精悍さとはうって変わって、肥満したウイリアム・ポガートも、トビーからさんざんこけにされる役で登場。