「テキサスの7人(64)」

I SETTE DEL TEXAS(伊)「テキサスの7人」、HOUR OF DEATH(英)「死の時間」劇場未公開

カテゴリー(Robert Hunder)

監督ホーキン・ロメロ・マルチェント、脚本フェデリコ・デ・ウルティア、ラファエル・ロメロ・マルチェント、マニュエル・セバレス、撮影ラファエル・パチェコ、音楽リズ・オルトラーニ、出演ポール・ピアジェ、ロバート・ハンダー、ラフ・バルダサーレ、グロリア・ミランド、フェルナンド・サンチョ、ヘスス・ピエンテ

スペインとの合作だが、イタリアのプロデューサーがからむ、初期のマカロニウエスタン。ガンプレイを見せ場にするのではなく、過酷なサバイバルと悲劇的なラストが用意されたなかなか見ごたえのあるドラマになっている。

恋人マリア(グロリア・ミランド)を守るために殺人を犯し、5年の服役を終えて故郷に帰って来たボブ・ケアリー(ポール・ピアジェ)は、マリアの元を訪れるが、なんと彼女は金持ちの地主クリフォード(ヘスス・ピエンテ)と結婚していた。失意のボブに、殺された仲間の復讐のためにガンマンのリンゴ(ロバート・ハンダー)が決闘を挑むが、ボブはリンゴの両手を撃ち抜いて返り討ちにする。一方謎の頭痛に悩まれていたマリアは脳腫瘍に犯されていたことが分かる。夫のクリフォードは、愛する妻のために牧場を売り払い手術のできる病院のある町へマリアを連れていくことを決意する。

しかし、そのためには、インディアンの土地を通らねばならないため、クリフォードは、用心棒として5人のガンマンを雇う。その途中で、再び対決しお互いに負傷していた宿敵同士のボブとリンゴも一行に加えることになるが、その道のりは過酷なものであった。インディアンの襲撃をしのぎ、大雪原を乗り越えて歩みを進める一行だったが、真の危機は用心棒としてやとったジェス(ラフ・バルダサーレ)の裏切りによって訪れた。ジェスは初めからクリフォードが準備していた金を奪うことが目的だったのだ。水の樽を撃ち抜いて一行を水不足に陥れ、唯一の水の供給場所を占拠する悪辣なジェス。彼との戦いで、メキシコ人のスコメッティ(フェルナンド・サンチョ)、ムードメーカーだったロジャース老人(ゼス・カーメル)らが次々に命を落としていく。

反目しあっていたボブとリンゴだったが、ボブは自らの命を犠牲にして井戸の水を確保し、リンゴがジェスに止めを刺す。目的とする町が近づき、リンゴは静かに一行から離れていく。ついに残ったのは、クリフォードとマリアの二人だけ。町を目指して懸命に馬車を走らせるクリフォードだったが、彼の願いもむなしく、町への到着を目前にしてマリアは息を引き取るのだった。

主人公を捨てて恋人が嫁いだ先の大金持ちが、妻の身を案じて全財産を投げ出す心優しき男だったり、自らの命を捨てて一行を救い、死んでいく主人公ボブに宿敵リンゴが、水を含ませてやる展開があったりといい意味で定石を破るストーリー展開が斬新。虚無感漂うラストをはじめ印象に残る場面が続く、初期のマカロニウエスタンの中でも拾い物の一遍だ。