「友よ…やればできるさ(71)」

SI PUO FARE…AMIGO(伊)「友よ…やればできるさ」、IT CAN BE DONE…AMIGO(英)「友よ…やればできるさ」劇場未公開

カテゴリー(Bud Spencer)

監督マウリツゥオ・ルチディ、脚本ラファエル・アスコナ、撮影アルド・トンティ、音楽ルイス・エンリケス・バカロフ、出演バッド・スペンサー、ジャック・パランス、デニー・サバル、フランシスコ・ラバル、ネロ・パゾフィーニ、サル・ボージェス

「ペコスシリーズ」のマウリツゥオ・ルチディが監督。逃げ回るバッド・スペンサーをしつこくジャック・パランスが追いかける。豪華な顔合わせと展開がユニークなコメディ。

流れ者の風来坊コバーン・トンプソン(バッド・スペンサー)は、馬泥棒と間違えられ縛り首にされかけたところを通りかかった弁護士の老人と少年によって救われる。その後、老人の死に立ち会ったコバーンは、甥の少年チップ・アンダーソン(レナート・チェスティ)の後見人を託される。仕方なくチップを連れて彼が相続した土地へやってきたものの、そこは、作物も育たない不毛の土地だった。しかし、町の司祭と保安官を兼ねるフランシスカス(フランシスコ・ラバル)は、硬軟あらゆる手をつかってその土地を手に入れようと、迫って来る。裏に何かあるとにらんだコバーンは、チップを置き去りにするわけにもいかず、二人での生活を始める。

そんな、コバーンを追って凄腕のガンマン、ソニー・ブロンストン(ジャック・パランス)が町にやって来る。ソニーは、コバーンにほれ込んでしまった妹メアリー(デニー・サバール)とコバーンを力ずくでも結婚させようと画策していたのだ。しかし、ソニーは、とりあえずメアリーの望みを叶えてやったあとで、ブロンストン家の名誉を守るため、コバーンを殺すつもりだった。身を固める気などさらさらないコバーンは、追いかけてくるソニーとメアリーからひたすら逃げまくるものの、ついに強制的に結婚式を上げさせられてしまう。

そんな、結婚披露の宴が催されている中、お祝いの花火の火が井戸に飛び込むと、井戸が激しく火を噴いた。チップが相続した土地には大量の石油が眠っていたのだ。そこへ、業を煮やしたフランシスカスの一味が土地をわがものにしようとなだれ込んでくる。迎え撃つコバーンとソニーは一味を殴り合いでコテンパンに叩きのめす。そして、メアリーが身ごもっていることを知ったソニーは、コバーンを殺すことは先延ばしにすると宣言して二人の前から去っていくのだった。

マカロニとは思えないほのぼのとしたテーマに加えてブルートのように粗野で巨体のスペンサーが、女性から追いかけられるという点が何とも面白い。例によって殺しの場面はなく、スペンサーのベルトのホルスターには拳銃ならぬメガネが収められているという徹底ぶり。バッド・スペンサーのマカロニ独特の優しさが随所に感じられる佳作だ。「続・荒野の用心棒」の凄みとはうって変わって“おいらが小さいときには、鳥のように空だって飛べると言っていたものだった….”と微笑ましくなるような歌詞の主題歌をロッキー・ロバーツが少年のコーラスといっしょに楽しく歌っており、ラストシーンもにっこり微笑むチップ少年の笑顔で終わる。家族でもほのぼのと楽しめる珍しいマカロニウエスタンだ。