「荒野の女ガンマン/ガーターコルト(67)」

GIARRETTIERA COLT(伊)「ガーター・コルト」、GARTER COLT(英)「ガーター・コルト」劇場未公開、DVD公開題名「荒野の女ガンマン/ガーターコルト」

カテゴリー(actress)

監督ジャン・アンドレア・ロッコ、脚本ジャン・アンドレア・ロッコ、マリオ・マッフェイ、ジョバンニ・ギリオッツイ、ビットリオ・ベスキャトリ、撮影ジーノ・サンティーニ、音楽ジョバンニ・ファスコ、出演ニコレッタ・マキアベリ、クラウディオ・カマソ、ウオルター・バーンズ、ヨルゴ・ボヤジス、ガスパーレ・ゾラ、マリサ・ソリナス

マカロニウエスタンに登場する個性豊かな女優陣のなかでもニコレッタ・マキアベリのクールで知的な個性は特に光っている。この作品は大プロデューサー、ディーノ・デ・ラウレンティスの秘蔵っ子として、様々なマカロニウエスタンに花を添える形で出演していたマキアベリを堂々の主演に据えて華麗な女ガンマンの活躍を描いた異色作だ。

マカロニウエスタンには、「IL MIO CORPO PER UN POKER(68)」をはじめとして女ガンマンの活躍を描いた作品はいくつか存在するが、テンガロンハットにブーツというスタイルではなく、女性らしさを強調したスマートなファッションに身を包んだマキアベリ演じる主人公のカッコよさは特質もの。ドレスの色に合わせてそのたびに交換するカラーの布製のガンベルトから抜き撃ちするSAAの銃口はなんとハート型という粋な演出がなされている。本作品は、そうしたマキアベリのあでやかな女ガンマンのスチールを眺めるだけで充分、というよりも作品を鑑賞したらまず間違いなく肩透かしを食らうこと請け合いの残念な仕上がりになってしまった。

フランス軍と革命派のパルチザンの争いに乗じて武器の密売を行う強盗団を調査する女スパイというところがニコレッタ・マキアベリの演じる役柄。しかし、スパイとしての活躍はほとんど描かれず、もっぱら女賭博師としてポーカーをしているか、革命軍に潜入したフランス軍の若者カルロス(ヨルゴ・ボヤジス)と恋をささやきあうだけ。主人公が運び込む謎の乳母車には、定石通りマシンガンが隠されているかと思いきや、ポーカーでいかさまをするための相棒が隠れているだけという情けなさ。

全編を通してガーター・コ ルトがガンの名手である必要性が全くない。しかも、密輸団のボス、ロッソを演じるクラウディオ・カマソのあまりに調子外れで大げさな演技と、何が起こっているか把握しにくいシュールなカメラワークのためにコメディかシリアスなのかわからない珍妙な出来上がりになってしまった。挙句の果ては、主人公が苦心して救い出した恋人のカルロスが、革命派パルチザンのリーダー(ウオルター・バーンズ)から誤って撃たれて命を亡くすという、訳の分からないラストを迎えてしまう。マキアベリの個性を生かして真に格好いい女ガンマンの物語をどうして描くことができなかったのか残念でならない。