「ベルスターの物語(68)」

BELLE STARR STORY ,IL MIO CORPO PER UN POKER(伊)「ベル・スターの物語、ポーカーの代償は私、(68)」BELLE STARR STORY(英)「ベル・スターの物語」劇場未公開

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監督ネイサン・ウイッチ(リサ・ウエルトミューラー)、脚本ネイサン・ウイッチ、撮影アレクサンドロ・ド・エバ、音楽カルロス・ラモント、出演エリサ・マルティネリ、ジョージ・イーストマン、ロバート・ウッズ、ダン・ハリソン、ブルーノ・コラッツァーリ

米国製の異色西部劇「クイック・アンド・デッド(95)」でシャロン・ストーンが精悍な女ガンマンを演じる20年以上も前に、マカロニの世界では格好良い女性ガンマンが登場していた。「流されて」など独自の作風で、男女の世界の機微を表現するイタリアの著名な女性監督リサ・ウエルトミューラーがネイサン・ウイッチという仮名で監督した唯一のマカロニウエスタンで、主演も「血とバラ」などで当時注目されていた美貌の女優エリサ・マルティネリ。女性監督による女性を主人公とした異色マカロニだ。

富豪の令嬢でありながら苛酷な運命に翻弄され盗賊に身をやつした女盗賊ベル・スター。そんな彼女の心を射止めようと、2人のならず者ジョージ・イーストマンとロバート・ウッズはあの手この手を尽くす。ただし、ウッズは過去の男として登場するためイーストマンとウッズというマカロニガンマン2人が画面で顔を合わせて対決することはないのは残念。

ベル・スターは高額を張ったポーカーゲームで、ラリー(ジョージ・イーストマン)という男に敗れ、自らの身体を代償として差し出すことになる。しかし、ラリーを愛するようになったベルは自らの生い立ちをベッドで語りだす。富豪の娘として不自由なく育ったマイラ・メイベル・シャーリー(エリサ・マルティネリ)だったが、彼女は家柄と財産のために意に添わぬ老人との結婚を強要される。あまりの仕打ちに家を飛び出したマイラは、ベル・スターと名を変え、たまたま出会った幼馴染のコール(ロバート・ウッズ)と共に悪の道を歩みだすことになる。数々の悪事を重ねるベルだったが、屋敷で召使をしていた仲良しのジェシカの危機を救うものの、大仕事を終えたコールは、態度を豹変させなんとベルを襲おうとする。コールは、ジェシカに刺殺されるものの、男を信じられなくなってしまったベルは半ば自暴自棄になっていた。

ここまで語って、ラリーと別れたベルは、新しい仲間ペドロ(ダン・ハリソン)の一味と組み、無謀にもピンカートン探偵社が警備を務める100万ドルの宝石強奪を企てる。計画は成功するものの、探偵社のエージェント (ブルーノ・コラッツァーリ)に追い詰められ危機一髪となったベルを救ったのは、ラリーだった。しかし、ラリーは撃たれて捕らえられ、激しい拷問を受ける。今度は、ラリーをベルが救う番だ。一人敵地に乗り込んだベルはラリーを救い出すとともに、奪った100万ドルの宝石を持ち主に返して逃走するのだった。追っ手から逃れ、荒野で別れを告げようとするベルにラリーは、言い放つ「ベル・スター!まだ物語は終わっちゃいねえぜ、もう一度ポーカーで勝負だ!」。

マカロニウエスタンの迫力というよりも、エリサ・マルティネリの魅力を前面に押し出した作品といってよい。それでも撃ち合いシーンは豊富で、エリサ・マルティネリは、コートのポケットに手をいれた状態からガンを撃ち、敵を打ち倒すというトリックガンプレイを格好良く見せる。銃声とトランペットのいかにもマカロニ風のイントロの後に、優しいバラードが流れてくる音楽のミスマッチがこの映画を象徴しているようで楽しい。