「西部のリトル・リタ/踊る大銃撃戦(67)」

LITTLE RITA NEL FAR WEST(伊)「西部のリトル・リタ」、RITA OF THE WEST(英)「西部のリトル・リタ」劇場未公開、DVD公開題名「西部のリトル・リタ/踊る大銃撃戦」

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監督フェルディナンド・ベルディ、脚本フェルディナンド・ベルディ、フランコ・ロゼッティ、撮影エンゾ・バルボーニ、音楽ロビー・ポイテビン、出演リタ・パフォーネ、テレンス・ヒル、カーク・モリス、フェルナンド・サンチョ、ゴードン・ミッチェル、ルチオ・ダッラ、テディ・レノ、ルチオ・ロサート

当時イタリアで大人気だったアイドルポップ歌手のリタ・パフォーネが主演したミュージカルマカロニウエスタン。めちゃくちゃに強いけれど、小柄でキュートな女の子のガンマン(ガンウーマン?)リタ・キッドが友好的なインディアンの酋長バイソン(ゴードン・ミッチェル)に協力して、人の心を惑わす黄金を葬り去るために相棒のフランシス(ルチオ・ダッラ)と一緒に西部を旅するお話。

その過程で、黄金を奪ったリンゴ(カーク・モリス)や武器の密輸屋ジャンゴ(ルチオ・ロサート)との対決や、好青年ブラック・スター(テレンス・ヒル)とのラブ・ロマンスが豊富な歌や踊りのシーンを交えて描かれる。強いのにテレンス・ヒル扮する青年の前でコチコチになってしまうというキャラクターが初々しくてかわいい。途中で盛り込まれる「続・荒野の用心棒(66)」や「夕陽のガンマン(65)」のパロディシーンは、爆笑必至。出演者全員がロビー・ポイテビンの手になる軽快なリズムに乗りながら明るく歌い踊っている姿は見ていて楽しく、ガンプレイやアクションシーンも豊富だ。これは、マカロニウエスタンファン必見の作品といえよう。

やや人気に陰りが見え始めた主人公リタと保安官役を演じた大歌手テディ・レノとのゴシップが、公開直前に発覚したことが大きなマイナスイメージとなり、本作は大きくヒットすることはなかった。しかし、ニニ・ロッソやルチオ・ダッラなど、超一流のミュージシャンたちのゲスト出演や、全編に流れる明るく楽しい音楽の数々は本作が一級の娯楽作品であることの証だ。結局、リタ・パフォーネとテディ・レノは、結婚し年老いてからも幸せなカップルで在り続けたのだから、このゴシップは、本作にとって実に残念な出来事だったといえる。こうして見てくるとマカロニという固定したジャンルの中にまたコメディあり、SFあり、ホラーあり、ミュージカルあり、とさまざまなジャンルが存在していたことがわかって興味深い。