「神の賛歌(72)」

TE DEUM(伊)「神の賛歌」、STING OF THE WEST(英)「西部の一刺し」劇場未公開

カテゴリー(Timothy Brent)

監督エンツィオ・G・カスティラーリ、脚本ジョバンニ・シモネッリ、エンゾ・ギロラーミ、ティト・カルピ、撮影マノロ・ロハス、音楽グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス、出演ジャック・パランス、ティモシー・ブレント、ライオネル・スタンダー、エドワルド・ファハルド、ロマーナ・コラッツィ、マーベル・カリーン、フランコ・ボレリ

ジャック・パランスが主演したコメディ作品。こうして見るとジャック・パランスはマカロニウエスタンには本当に良く出演している。格調高い「シェーン」で名を上げたハリウッドのスターであるという自負もあっただろうに、どこかの評論家のようにマカロニというだけでバカにしたりせず、こうして出演していった姿勢には好感が持てる。ただし、この作品についてはせっかくジャック・パランスが出演し、名手エンツィオ・G・カスティラーリが監督したにもかかわらず、マカロニコメディの悪い面ばかりが目立っている。「風来坊」以降、薄汚い格好をした奴が、支離滅裂に暴れればそれでヒットするという幻想が生まれたのか、面白くもなんともない乱闘シーンのみで作られたコメディが大変多くなってしまった。本作品もそんな悪しき特徴をそのまま引きずっている。

テデューム(神の賛歌)という大仰な名をもつ若者(ティモシー・ブレント)は、海賊の末裔という変なプライドをもつ父親、祖父(ライオネル・スタンダー)の三世代で粗末な小屋に同居する詐欺師の一家だ。ある日たまたま手に入れた一文の価値もない廃坑の場所を示す地図を本物と偽って売りさばくため、テデュームは、町へと旅立つ。無賃乗車を決め込んだ列車はなんと保安官の専用車両、そこで知り合った、怪力の偽神父サンティーニ(ジャック・パランス)と一緒に列車から脱出すると二人の珍道中が始まる。

ところが偽物と思っていた鉱山の地図は実は本物の金の在処を示すものであることが分か り、悪徳地主のグラント(エドワルド・ファハルド)も宝の地図を狙って動き出す。さらにはベティ(ロマーナ・コラッツィ)とウエンディ(マーベル・カリーン)という二人の女泥棒も争奪戦に絡んできててんやわんや。最後は地図を隠した水筒を巡って風呂場で延々と続く水球大会が始まる。ついに宝の地図を手に入れたテデューム一家とサンティーニは、地図が炙り出しになっていることに偶然気づき、車輪付きの帆船という珍妙な乗り物に乗って意気揚々と鉱山に乗り込む。ところが、なんとその場所には刑務所が建てられていた。

ジャック・パランス扮する怪力の神父役は彼でなくてもよいキャラクター。せっかくのジャック・パランスの出演が無駄になっているようだ。ただし、おとぼけに徹する「続・荒野の用心棒(66)」の名悪役エドワルド・ファハルドのお笑い演技は見もの。グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリスによる音楽も軽快な手拍子にのった大変ノリの良い曲で印象に残る。