「彼は精霊と呼ばれた(71)」

…E LO CHIAMARONO SPIRITO SANTO(伊)「彼は精霊と呼ばれた」、HE WAS CALLED HOLY GHOST(英)「彼は精霊と呼ばれた」劇場未公開

カテゴリー(Vassili Karis)

監督ロバート・ジョンソン(ロベルト・マウリ)、脚本ロベルト・マウリ、撮影マリオ・マンチーニ、音楽カルロ・サビーナ、出演バジリ・カラス、ディック・パルマー、ハント・パワーズ、マーガレット・ローズ、ホセ・トレス

肩に鳩をとまらせ、サルタナに更にゆとりをもたせたキャラクター“スピリット・サント(精霊)”。最初の作品はジョン・ガルゴが演じたが、その後「精霊」の名をバジリ・カラスが引き継ぐことになった。とはいいながらもスタイルもストーリーもガルゴ作品とは関係なく独立した作品で、主人公が生まれたときに窓辺に白い鳩が舞い降りてきたことから精霊と呼ばれるようになったというエピソードから始まる。本作のスピリット・サントは、白いマントを羽織った本家のファッションとは異なるが、メキシコ風の縞模様の入ったポンチョ仕立てになった独特のファッションで登場している点が、印象的だ。

監獄で重労働に従事していたスピリット・サントは、裁判にかけられるために移送されることになる。護送役を務めるのは、妹をサントから殺されたと信じてサントを恨んでいたインディアンの保安官(ディック・パルマー)だった。しかしサントは、護送の途中で、町の実力者フォスター(ハント・パワーズ)の手によって逃亡させられる。フォスターには、サントを利用して軍の公金を強奪しようという企みがあったのだ。

しかし、フォスターの娘コンスエロ(マーガレット・ローズ)とサントはいつしか愛し合うようになる。騎兵隊に変装して公金を奪い取ったサントだったが悪事に加担したことを悔やんだサントは分け前を手にせず、フォスターの元を去る。しかし、その途中で保安官がサントを待ち構えていた。サントを追って来て、その危機を救おうとしたコンスエロは乱戦で撃たれ、娘の死を嘆くフォスターもサントを殺そうとして逆に命を落とす。

いよいよ、サントと保安官の最後の対決という場面となるが、保安官も重傷を負っており決闘の前に倒れ伏してしまう。動けなくなった保安官に向かって、妹の死の真相を説くサント。保安官の妹は暴漢に襲われて自らの命を絶ち、サントはその死を看取ったにすぎなかったのだ。自分の言葉が信じられなければ撃て、と保安官に拳銃を渡すサント。保安官は、サントの背後に潜む敵を撃って、そのまま息を引き取るのだった。物語の鍵となる妹の死の真相が、カルロ・サビーナの軽快な音楽にのってネガの映像で紹介される粋なタイトルバックなど、低予算の小作品ながら工夫をこらしたつくりとなっている。