「5人目は殺すな(69)」

QUINTA NON AMMAZARE(伊)「5人目は殺すな」、QUINTA FIGHTING PROUD(英)「5人目戦う勇気」劇場未公開

カテゴリー(Steven Tedd)

監督レオン・クリモフスキー、脚本マヌエル・マルティネス・レミス、撮影ジュゼッペ・ラットーレ、音楽ピエロ・ウミリアーニ、出演スティーブン・テッド、ジャーマン・コボス、アルフォンゾ・ロハス、ロベルト・カマルディエル、サラ・ロス

伝染病患者の集団に変装して全員が覆面を被った一団が銀行を襲う。50万ドルを奪ったブラッキー(アルフォンゾ・ロハス)をボスとするこの一味は、砂漠にある小さな宿場に立てこもるが、逃走の途中で奪った金が無くなっていることに気づく。全員が同じ覆面を被っていたため、仲間の中で誰が裏切ったのかが分からなくなってしまったのだ。悪党たちは互いに疑心暗鬼に陥り、ブラッキーの情婦ケイト(サラ・ロス)の画策に乗せられた男たちは、悪党同士で殺し合いを始めるのだった。

覆面をしていただれが、金を運んだか分からないとはあまりにも間抜けな話だが、金を持ち逃げした犯人は誰なのかを推理していくというミステリー仕立てになっているところがミソ。仲間の一人ビンセントは、襲撃の途中で捕らえられ縛り首になっているという設定が謎解きの鍵になっている。一応謎解きが主軸になってはいるが筋立てはあまりにも杜撰。さらには、一味の無茶苦茶な殺しぶりがでたらめだ。駅馬車の客から、後ろを向いて逃げる老婆まで、目に映る人間はすべて撃つという無節操さがマカロニにあってもばかげて見える。宿場に立てこもった彼らだがそこの住人は殺さないというのもご都合主義だ。

結局、金は、縛り首になったビンセントの兄であるスクレ(ジャーマン・コボス)が、いつも自分がつま弾いていたギターの中に隠しており、ビンセントを見殺しにしたブラッキーも復讐のために殺す。そして、結核で余命いくばくもなかったスクレも彼自身が拳銃の撃ち方を教えた臆病な酒場のボーイ、ビル(スティーブン・テッド)の手によって倒されるという目まぐるしいラストの展開を見せる。主人公と思われるスティーブン・テッドは、金を取り戻すためのエージェントであったことが最後には判明するが、いつか活躍するのではという期待とは裏腹に最後まで臆病者を装ったまま、ガンプレイの見せ場も皆無だった。