「マッチョ(77)」

EL MACHO(伊)「マッチョ」、MACHO KILLERS(英)「殺し屋マッチョ」劇場未公開

カテゴリー(athlete)

監督マーク・アンドリュー、脚本ファビオ・ピットール、マーク・アンドリュー、撮影ルチアーノ・トラザッティ、音楽マルチェーロ・ロモイーノ、出演カルロス・モンソン、ジョージ・ヒルトン、マリサ・ロンゴ、ミグエル・ボセ、ジュゼッペ・カステラーノ

プロボクシングで最も完成されたミドル級世界チャンピオンと讃えられ一世を風靡したアルゼンチンのカルロス・モンソンが、現役チャンピオン時代に招かれて出演したマカロニウエスタン。彼が初めて世界タイトルを奪った相手が「荒野の大活劇(69)」のニノ・ベンベヌチであったというのも、マカロニウエスタンに関わる因縁といえよう。

無敗のまま引退したモンソンだったがその最後は悲惨なもので、殺人罪で服役した後、仮出所中に交通事故に会い、若くして生涯を終えた。本作の撮影中もかなり暴力的でスタッフを悩ませたらしい。そんな波乱の人生を送ったモンソンだが、彼の演技力はなかなかのもので本作でも俳優としての違和感を抱かせていない。

開幕と同時に画面に登場したモンソンが強盗団の一味として悪辣な殺しをやってのけ、死体から金品を盗み出す様を描いて、観る者を煙に巻く。そのうちに彼は殺されてしまい、ますます物語の行方があやしくなっていくと、ここから本当の主人公の登場となる。殺された男は、ヒダルゴ(ジョージ・ヒルトン)を首領とする強盗団の副首領のバザード(カルロス・モンソン)で、彼とそっくりの容貌をもち、腕も度胸もある賭博師のエル・マッチョ(カルロス・モンソンの2役)が保安官の説得によってバザードになりすまして強盗団に潜入するという物語になっていく。

うまく潜入するものの、バザードの愛人ケリー(マリサ・ロンゴ)には、当然正体を見破られるものの、やがて彼女との間には真実の愛が芽生え始める。中盤は、ケリーとマチョのやりとりが中心になり、アクションとしては退屈になるが後半は、モンソンの身体能力が生かされたアクションシーンで構成されており、敵の一味との対決も階段のすきまから倒れ込みながら撃つ、ロープに重りをつけた武器で敵の拳銃を搦め捕って瞬時に撃ち倒すなど撃ち合いの見せ場が連続し、ラストは強盗団の首領ヒダルゴとの一騎打ち。この決闘も馬で走り抜けながら、落ちている拳銃を拾って撃ち合うという新趣向で面白い。マカロニウエスタンの魅力にあふれた佳作だ。