「彼は早撃ちと呼ばれていた(72)」

MI CHIAMAVANO REQUIESCANT…MA AVEVANO SABAGLIAT(伊)「彼は早撃ちと呼ばれていた」、FASTHAND IS STILL MY NAME(英)「彼は早撃ちと呼ばれていた」劇場未公開

カテゴリー(Alan Steel)

監督フランク・ブロンストン、脚本エドワルド・ブロチェロ、アルベルト・カルドーネ、撮影エミリオ・フォレスコット、音楽ジャンニ・フェリオ、出演アラン・スチール、ウイリアム・バーガー、フランク・ブラーニャ、フェルナンド・ビルバオ、ギル・ローラン

プロデューサーも兼任しているアラン・スチールが主演。黒ずくめのスタイルに身を包んで静かに復讐に燃える男を演じる。「早撃ち」という題名がついているが、この題名はすべてのマカロニウエスタンに当てはまるだろう。この作品の特色は逆に早撃ちができなくなった男の復讐物語である。

南軍の将校マチャド(ウイリアム・バーガー)は、南北戦争で家族を失い北軍に対して恨みを抱いていた。ある北軍の砦を襲ったマチャドの一味は砦を乗っ取り、そこにいる兵士たちを皆殺しにする。しかし、杭に縛り付けられて両手を打ち抜かれた北軍軍曹ジェフ(アラン・スチール)は、執念で生き延びた。2年後、マチャド一味が強奪した金を途中でかっさらったジェフは、金をえさにマチャドたちをゴーストタウンにおびき寄せる。手がつかえず拳銃を扱えないジェフの復讐が開始された。

マチャドの手下たちをあちらこちらに仕掛けた罠をつかって血祭りにあげていくジェフ。ついにマチャドと1対1の対決という場面になるが、拳銃を扱えないジェフは驚きの新兵器を使って、マチャドとの決闘を制する。マカロニウエスタンらしい、復讐から危機、大逆転という流れをきちんと踏まえた作品に仕上がっているが、いかんせん主演のヘラクレス俳優のアラン・スチールは、復讐に燃えるガンマンとしては、凄みや精悍さに欠け、格好良さも希薄。さらに、他のマカロニウエスタンと比較しても本作は、拷問やリンチのシーンが多く、格好良さや爽快さよりも陰鬱な雰囲気が全編を覆っていて、うんざりさせられてしまう。

欠点が多い作品だが、ジャンニ・フェリオ作曲のテーマソング「That man」は独特の雰囲気をもった聞きごたえのあるバラードだ。