「死の代償(68)」

QUANTO COSTA MORIRE(伊)「死の代償」、 COST OF DYING(英)「死の代償」劇場未公開

カテゴリー( Andrea Giordana)

監督セルジオ・メロール、脚本ビアジオ・プロイエッティ、撮影ベニート・フラッターリ、音楽フランチェスコ・デ・マージ、出演アンドレア・ジョルダーナ、ジョン・アイアランド、ブルーノ・コラッツァーリ、ベッツィ・ベル、レイモンド・ペレグリン

音楽は名手フランチェスコ・デ・マージとラオールの名コンビによるバラード、そして画面の背景は雪に覆われたロッキーの山々という本作品独特の設定が見事なマカロニの雰囲気を醸し出している。

スカイフ(ブルーノ・コラッツァーリ)率いる牛泥棒の一味が、山間の村に大挙してやってきた。しばらくの滞在を求める強盗団に、元保安官のビル(レイモンド・ペレグリン)と養子のトニー(アンドレア・ジョルダーナ)ら、一部の住民たちは反対するものの、大半の村民たちは争いを好まず一味の逗留を黙認してしまう。やがて凶暴な本性を現わし始めたスカイフの一味は、ついに反対勢力の筆頭だったビルを射殺し、村人たちを奴隷のように酷使しはじめる。

一味の監視下から抜け出し、義父の仇討ちと村人解放のため単独で反撃を試みようとするトニーを引き止めたのは、一味の副首領格のガンマン、ラルフ(ジョン・アイアランド)であった。実はトニーは生き別れになったラルフの実の息子だったのだ。悪の道に走ったラルフは、息子の養育をビルに委ねて自らは悪事を重ねていたのだった。当然トニーはラルフを信用するはずもないが、ラルフは、ビルと親友であったことのみを打ち明け、トニーへの協力を申し出る。

ラルフの手ほどきを受けながら徐々に拳銃の腕を上げていくトニー。この拳銃修行の場面が本作のハイライトシーンの一つ、雪の中で、雪玉を標的に拳銃の練習を重ねる二人の姿に、デマージの軽快なテーマ曲が重なり、格好良いマカロニウエスタンのムードは満点だ。そんな中、争いを好まなかった村人も村の若者が殺されたことをきっかけにして、一味の横暴に対してついに立ち上がる。村人と強盗団の激しい銃撃戦の後、スカイフとラルフが1対1の決闘。スカイフを倒すものの相打ちで倒れたラルフはトニーに自らが父親であることを告げることなく息絶える。

ジョルダーナ扮するトニーが拳銃の使い方をマスターするのがラスト近くなので彼がガンプレイを披露するシーンは残念ながら少ないものの、拳銃の練習シーンの格好良さ、決闘シーンの緊迫感など見どころは盛沢山。ジョルダーナの防寒用ファッションのデザインもなかなかのものだ。音楽と画面の雰囲気こそがマカロニウエスタンの魅力であることを証明する好作品だ。