「荒野の渡り者(65)」

GLI UOMINI DAL PASSO PESANTE(伊)「足取り重い男たち」、TRANPLERS(英)「制圧者たち」劇場未公開、TV公開題名「荒野の渡り者」

カテゴリー(Gordon Scott)

監督アルバート・バンド(マリオ・セクィ)、脚本ウゴ・リベラトーレ、アルバート・バンド、撮影ウオルフガング・サスチェットスキー、音楽フランチェスコ・ラバニーノ、出演ジョセフ・コットン、ゴードン・スコット、ジェームス・ミッチャム、マリエル・フランクリン、フランコ・ネロ、イラリア・オッキーニ、ロマーノ・プッポ

名優ジョセフ・コットンが主演したマカロニウエスタンは、未公開作「E VENNE L’ORA DELLA VENDETTA(67)」とテレビで公開された「黄金の棺(66)」と本作品の3本。初期の作品ながら、マカロニウエスタンの萌芽が伺える凄惨な撃ち合いシーンが豊富な上、豪快なキャトルドライブの場面もある本格的な作品。

監督兼プロデューサーのマリオ・セクィは、1958年に発表された小説「Guns of North Texas」の映画化権を買い取り、同じ小説を原作として、本作と「黄金の棺」を制作した。南部の家長制度にのっとって強引に一族をひっぱっていく父がその頑固さ故に一族を破滅させていく姿を描いており、力で一家を支配する家長をやはりジョセフ・コットンが演じている。

南北戦争が終わり故郷の町に帰って来たロン・コーディーン(ゴードン・スコット)は、父テンプル(ジョセフ・コットン)が一族郎党を率いて、彼らの暴力的な支配をスクープしようとした新聞記者ウィケット(クラウディオ・ゴーラ)を私刑にかける現場に出くわす。そうしたコーディーン家の在り方にことごと く反発するロンは、テンプルが頑なに反対していた妹ベスと誠実な牧場主チャーリー(フランコ・ネロ)との結婚を後押しし、ロンを慕う末の弟ボビー(ジェームス・ミッチャム)と共にコーディーン家を飛び出す。

ベスやチャーリーたちと平和な生活を始めるはずだったロンだったが、家族を裏切ったロンに対するテンプルの憎悪は常軌を逸し、ロン達の牧場経営をことごとく妨害しにかかる。ついに、殺されたウィケットの娘エディス(イラリア・オッキーニ)にまで危害が及ぶに至って、エディスを守るロンたちと、テンプルに従う兄弟たちの、骨肉相食む壮絶な殺し合いに発展してしまうのだった。

ラストは家族同士の銃撃戦で長男ロンと娘ベスを除いた兄弟達のすべてが死ぬ。自分の命令がもたらしたこの結末を目の当たりにした父親テンプルは終に気が狂ってしまう。兄弟の殺し合いがあまりに露骨に描かれているため、後味の良くない作品であるが、このテーマは、より完成度の高い「黄金の棺」に結実している。

妹ベスの婚約者チャーリーを演じるフランコ・ネロは、「続・荒野の用心棒(66)」出演前で、ほとんど撃ち合いにも参加せず活躍しないまま。一方、主演のゴードン・スコットは11代目ターザン役や史劇で活躍しただけあって転がり、倒れこみというガンアクションを自ら格好良くこなしている。