「トリニティの陽気な墓掘り人(72)」

ALLEGRI BECCHINI ARRIVA TRINITA(伊)「トリニティに陽気な墓掘り人がやって来た」、THEY CALLED HIM TRINITY(英)「人呼んでトリニティ」劇場未公開

カテゴリー(Dean Stratford)

監督フレッド・ライオン・モリス(パオロ・ソルベイ)、脚本フェルディナンド・メリギー、撮影パスカル・パネッティ、音楽マルチェロ・ギガンテ、出演ディーン・ストラトフォード、ゴードン・ミッチェル、ラッキー・マクマレー

トリニティとは父と子と精霊が三位一体となった存在の意味。マカロニではキャラクターの名前として使われることが多いが、この作品にはトリニティという人物は登場しない。また、英語のタイトルが「風来坊(70)」の原題と酷似しているので、その点でも注意が必要だ。

本作品はマイルズ・ディーン監督作品の常連悪役であるディーン・ストラトフォードが、誘拐されたうえ殺された妹の仇を追う主人公ジャンゴ・ランダルを演じる。妹を殺した憎き犯人を一人一人追い詰めて仇討ちをする展開は典型的なマカロニストーリーだ。今回のストラトフォードは珍しく髭をそり落として登場。ほとんどの作品で集団の片隅に居るのか居ないのか分からないような役柄に甘んじているストラトフォードだが、それなりのファッションに身を包み、格好を付けているとマカロニヒーローらしく見えてくるから不思議だ。また髭無しの彼の容貌がウイリアム・バーガーに似ていなくもないことが、この作品ではじめて分かった。

ランダルが狙う仇は、ゴードン・ミッチェルを首領とする強盗団だが、その黒幕は、僧侶がかぶる黒いフードを被っている。そのため、敵の正体が2転3転する唐突などんでん返しが繰り返される。やっとつかまえた犯人が保安官だと思えば、保安官が、真犯人は主人公の義理の兄だと白状してしまう展開は、観るものをただ混乱に陥れるだけのものにすぎないだろう。おまけにラストは捕らえて連行する相手が隠し持ったダイナマイトで自爆してしまうというなんとも味気ない結末を迎える。パオロ・ソルベイ監督の作品ではそれも致し方ないと諦めるべきなのだろう。