「グリンゴ、神と共にあらん(66)」

2019-12-18

VAYA CON DIOS, GRINGO(伊)「グリンゴ、神と共にあらん」、GO WITH GOD, GRINGO(英)「グリンゴ、神と共にあらん」劇場未公開

カテゴリー( Glenn Saxson)

監督エドワード・G・ミューラー、脚本ビンセンソ・ムッソリーニ、エドワード・G・ミューラー、撮影ウーゴ・ブルネリ、音楽フェリチ・デ・ステファーノ、出演グレン・サクソン、ラクレチィア・ラブ、ペドロ・サンチェス、アルド・ベルチ、リビオ・ロレンツォ、ビンセンソ・ムッソリーニ、ディーン・ストラトフォード

ここでいうグリンゴとは、一般に使われる「アメリカ野郎」をさすのではなく主人公の名前として使われている。グリンゴを演じるのはグレン・サクソン。仇の悪党クリスは、強面の監督兼脚本家ビンセンソ・ムッソリーニが演じている。

凶悪なレイモンド・クリス(ビンセンソ・ムッソリーニ)の一味に兄を殺され、不当な理由で投獄されてしまったグリンゴ(グレン・サクソン)は、一緒に投獄されていた本当の殺人犯たちと刑務所を脱獄する。全員分の馬を調達することができない彼らは、駅馬車を強奪して逃亡を開始する。しかし、いっしょに脱獄したジャクソン(アルド・ベルチ)は駅馬車の御者を平気で撃ち殺すような殺人鬼。逃亡の途中で立ち寄ったメキシコの富豪ドン・ペドロ(リビオ・ロレンツォ)の屋敷でも一緒に逃亡した一人フォスター(ディーン・ストラトフォード)とジャクソンがトラブルを引き起こし、屋敷の召使である美貌のカルメン(ラクレチィア・ラブ)を人質に取ってペドロたちの追跡を逃れざるを得なくなる。一緒に脱獄した連中のやり方についていけなくなったグリンゴは一味から外され荒野に置き去りにされる。ジャクソンたちは、行く先々で悪事を重ね、結局彼らに追いついたグリンゴは、物語半ばでジャクソンと対決して倒す。

その後物語は、兄の復讐へとシフトチェンジし、ラストの決闘へとつながっていく。1対1の決闘でクリスを討ち、その結果自らの無実を証明したグリンゴは、逃走の途中で心が通じ合うようになったカルメン、メキシコ人の相棒(ペドロ・サンチェス)とともに、なじみ深い馬車に乗って去っていく。原題「グリンゴ、神と共にあらん」は、このとき別れを惜しむ町の神父が彼らに掛けた言葉。

冒頭に登場して兄を殺した仇のクリスは最後にしか登場せず、肝心の復讐物語の軸が前半と後半でぶれてしまっているのが、本作の一番の欠点。その他にも、大勢の追手から追跡されている最中にも、馬車の中でのんびりポーカーに興じていたり、クリスを倒しただけで簡単にグリンゴの無実が証明されたことになったりと、脚本に粗さが目立つ。しかし、グレン・サクソンのガンマンは渋い魅力があり、撃ち合いの場面が多いところも合格点が与えられる。