「アベマリアの復讐者(70)」

I VENDICATORI DELL’AVE MARIA(伊)「アベマリアからの復讐者」、FIGHTERS FROM AVE MARIA(英)「アベマリアからの戦士」劇場未公開

カテゴリー(Tony Kendall)

監督アル・アルバート(アダルベルト・アルベルティーニ)、脚本アダルベルト・アルベルティーニ、撮影アントニオ・モディカ、音楽ピエロ・ウミリアーニをはじめとしたマカロニ音楽の使い回し、出演トニー・ケンドール、アルバート・ファーレイ、アルベルト・デラクア、ピーター・トリス、スパルタコ・コンバルシ、ヘレン・パーカー、アチリオ・ドテッシオ、アイダ・メダ、レモ・キャピターニ

マカロニには、ときどき描かれるサーカスが舞台になった作品。ジョン・ギャリソン(スパルタコ・コンバルシ)が団長を務めるサーカス団の息子達、トニー(トニー・ケンドール)、サム(ピーター・トリス)、ポール(アルベルト・デラクア)は軽業だけではなく、腕もたつ頼もしい三兄弟だ。彼らが興行に訪れた町で、山賊による銀行強盗が発生するが、山賊と見せかけて襲撃した黒幕は町の実力者ジョン・パーカー(アルバート・ファーレイ)であった。一味にパーカーの息子が加わっていたことから証拠隠滅のため、パーカーは、保安官事務所に火を放つが、ギャリソン兄弟の力で、娘のケイティ(ヘレン・パーカー)だけが救い出された。

パーカーは、目障りなギャリソン一家こそ銀行強盗の張本人だとデマを流し、一家に賞金が掛けられる。しかし、新任のファーガソン保安官(アチリオ・ドテッシオ)は、ジョン・パーカーこそ黒幕と見破って、ギャリソン一家を助け、パーカー一味を撃退する。ラスト、形勢不利になったギャリソン一家の援軍として、濡れ衣を着せられていたメキシコ山賊ペドロ・セラーノ(レモ・キャピターニ)達が援軍として登場するのは、通常とは逆パターンの珍しい展開だ。

複数の銃を紐で操作して大勢に見せかけたり、ロケット砲を積んだ筏や、岩塩を弾丸代わりに使用した拳銃など脱力系秘密兵器を用いたり、と撃ち合い場面は、それなりの工夫がなされている。また、デラクアが後ろ向きで馬を操りながら見事な軽業で奇襲するというスタント演技も見せ場のひとつ。しかし、サーカスが出てくるとどうしても壮絶、凄惨といったマカロニの雰囲気からは遠くなるだけでなく、マカロニの命ともいうべき音楽が堂々と使い回しであることを謳っていることも致命的。作品全体が大変軽いものになってしまっているのは、いたしかたないところか。