「畜生、行け、殺せ!(71)」

BASTARDO,VAMOS A MATAR(伊)「畜生、行け、殺せ」、BASTARD,GO AND KILL! CHACO(英)「畜生、行け、殺せチャコ」

カテゴリー(Lincoln Tate)

監督ジーノ・マンギーニ、脚本セルジオ・ガローネ、ルイジ・マンギーニ、撮影アリステッド・マサセッチ、音楽カルロ・リスティケリ、出演ジョージ・イーストマン、リンカーン・テート、ステラ・ガーベル、フランコ・ランティエリ、フリオ・メニコーリ、ホセ・マヌエル・マルティン

ジーノ・マンギーニ監督唯一のマカロニウエスタン。物語は、「復讐のガンマン」のリメイクといってよい程、似通っている。殺人の罪で追われるメキシコ人のお尋ね者チャコ(ジョージ・イーストマン)は、追っ手を振り切って故郷の町サンロザリオに逃げ込む。彼の賞金を狙って追って来た賞金稼ぎのロジャー(リンカーン・テート)は、一度はチャコを捕らえることに成功するものの取り逃がしてしまう。さらに追跡を重ねるうちにロジャーはチャコの他に真犯人がいるのではないかと疑い始める。

真犯人は町の実力者ドン・フィリペ・モリナ(フリオ・メニコーリ)で、実際に手を下したのは、手下のサンチェス(フランコ・ランティエリ)だった。事件の真相を一味の一人チャッキー(ホセ・マヌエル・マルティン)から聞き出したチャコとロジャーだったが、モリナは裏切ったサンチェスによって殺されており、二人は待ち構えるサンチェス一味と銃撃戦を演じることになる。ラストの戦いはチャコが銃を使えない設定であるため、敵の手下を物陰から待ち伏せして素手で殴り倒すという展開。緊迫感あふれる展開になるはずなのだが、肝心のチャコを演じるジョージ・イーストマンの体格の迫力と、サンロザリオの町に戻ってからの女房(ステラ・ガーベル)とののんびりしたやり取りが弱者であるはずの追われる者の悲壮感を台無しにしてしまっている。

リンカーン・テートはイメージにぴったりの賞金稼ぎ役ではあるが、彼の使う武器は4.75インチのコルトに小型のストックを取り付けているもの。コルトにストックを取り付けて狙い撃つなら、バントラインとは言わないまでもせめて7.5インチ銃身のコルトにしないと非常にバランスが悪い。リンカーン・テートの生真面目な演技が、画面全体から浮いてしまっていてバランスを欠いている感じと同じだ。

最終的には、銃撃戦の末チャコを人質にとったサンチェス をナイフで制したロジャーは、なんとサンチェスだけではなく、チャコを捕らえて連行してしまう。裏切られたと思ったチャコだったが、ロジャーが連行した先はサンロザリオで待つ女房のところだったというほのぼのとした落ちがつく。音楽はマリアッチ風の陽気なテーマ曲で、リスティケリの常ながらあまりマカロニらしさは伝わってこない。全体的に低調な作品だが、カメラを担当したアリステッド・マサセッチの腕が冴えるところは、本作の評価できる点といえるだろう。