「聖水のジョー(71)」

ACQASANTA JOE(伊)「聖水のジョー」、HOLY WATER JOE(英)「聖水のジョー」劇場未公開

カテゴリー( Lincoln Tate)

監督マリオ・ガリアッツォ、脚本マリオ・ガリアッツォ、フランコ・ポギ、撮影フランコ・ビラ、音楽マルチェロ・ジョンビーニ、出演リンカーン・テート、タイ・ハーディン、リチャード・ハリスン、シルビア・モネリ、アンソニー・フリーマン

軍の公金を奪ったタイ・ハーディン演じるジェフ・ドノバン一味は、さらに銀行を襲う。しかし、そこは有名な賞金稼ぎ“聖水のジョー”が預金している銀行だった。怒りに燃えるジョーの追跡を受けることになったドノバン一味。しかし、ドノバンが奪った金は、部下のチャーリー(リチャード・ハリスン)によって持ち逃げされてしまう。

ジョーとドノバンは結託し、チャーリーを捕らえるが、ジョーにはチャーリーを囮に使ってドノバン一味を壊滅させるねらいがあった。物語はドノバンの部下の再度の裏切りへと変化していき、ラストは拳銃はもとより斧や弓矢、大砲までも用いて、裏切った部下たちとの戦いとなる。ジョーを演じる主演のリンカーン・テートは、精悍な容貌をした典型的マカロニガンマン。賭博場のルーレットを生かした決闘や寝ているところを襲ってきた連中をベッドの中から撃ち倒すなど面白い対決シーンもある。

裏切った部下たちとジョーとドノバンの銃撃戦も派手で面白いのだが、コメディなのかシリアスなのかはっきりしない雰囲気のまま終わってしまうのがこの作品の最大の欠点。ラスト結託して裏切り者達を屠ったはずのドノバンとジョーが再度仲間割れして、ドノバンがジョーを殺そうとする理由もはっきりせず、ストーリーが破綻している。

さらに最も残念なのがリチャード・ハリスンの扱い。彼はドノバン一味の手下の一人チャーリーとして登場。ところが、やたら騒がしくはしゃぎまわった挙げ句、物語半ばで吊し首にされて出番は終わってしまう。何でこんな役をリチャード・ハリスンが?と疑問に思うほど情けない役柄だ。名手マルチェロ・ジョンビーニによる主題曲も作品の質を表現するかのようにのんびりした行進曲風に仕上がっており、挿入曲は他のジョンビーに作品の使い回しに終わっている。