「カラスが着いた(72)」

…E IL TERZO GIORNO ARRIVA! IL CROW (伊)「カラスが着いた」、ON THE THIRD DAY ARRIVED THE CROW(英)「カラスが着いた3日目」劇場未公開

カテゴリー( Lincoln Tate)

監督ジャンニ・クレア、脚本ミノ・ロイ、撮影フランコ・ビラ、ジャンニ・ラファルディ、音楽ノラ・オルランディ、出演リンカーン・テート、ウイリアム・バーガー、ディーン・ストラトフォード、フィオレラ・マンノイヤ、ロレンソ・フィネスッチ、リチャード・メルビル

私立探偵を生業としている父トルネード(ロレンソ・フィネスッチ)、息子のリンク(リンカーン・テート)、娘のサリー(フィオレラ・マンノイヤ)らケネディ一家は、町の大物ローソン(リチャード・メルビル)の公金横領についての調査を依頼される。

自らの身辺に調査の手が伸びてきたことを知ったローソンは、“クロウ(からす)”と呼ばれる黒ずくめの殺し屋(ウイリアム・バーガー)を雇ってケネディ一家を消そうと狙ってくる。ショットガンを駆使するタフガイの父トルネードは、クロウの挑戦を受けて決闘に及ぶのだがなんと、背後からローソンに撃たれて決着が着いてしまう。不気味なムードをみなぎらせ、いかにも強そうなクロウが依頼者の手を借りてのだまし討ちで勝利するというトホホな流れから、物語の先行きが不安になっていると、案の定、父を殺されたリンク(リンカーン・テート)はクロウと対決して彼をあっさりと倒し、サリーを人質に取ったローソンまでも倒してしまう。

物語が始まって1時間足らずのうちに全てに決着がついてしまうという展開に本作は短編映画?と拍子抜けしていたら、クロウを倒した後、彼の弟(ディーン・ストラトフォード)が復讐に現れるという、展開を見せる。ハズレばかりのジャンニ・クレア監督作品の中で、クロウとトルネードやリンクの決闘シーンなどはなかなか雰囲気があって良い。しかし、音楽は「皆殺し無頼(66)」の使い回しである上に、弟が町に乗り込むシーンも、時間不足を補うための完全な付け足しで、例によって他作品場面の使い回しによって構成されている。何より、主人公たちは関わることなく、ストラトフォードが暴れまわった結果、町民たちによって取り押さえられて、リンチによって殺されてしまうという結末には、唖然とさせられる。

実は、このシーンは三流マカロニウエスタンでよく使いまわされる場面なのだ。結局、リンクはサリーを町の若者に託して一人旅立っていくという訳の分からない終わり方。さすが、マイルズ・ディーンと並ぶ、トンデモ監督のジャンニ・クレアだけあって、逆の意味で期待を裏切らないと感心させられた。