「タラ・ポキの伝説(71)」

TARA POKI(伊)「タラ・ポキ」、TARA POKI(英)「タラ・ポキ」劇場未公開

カテゴリー(singer)

監督アマジ・ダミアーニ、脚本ステリオ・タンジーニ、撮影ジョバンニ・バリアーノ、音楽ドメニコ・フランコ、ミノ・レイターノ、出演ミノ・レイターノ、アリザ・アダル、フリオ・メニコーリ、フォルトナート・アリーナ、ペドロ・サンチェス、スパルタコ・コンバルシ、デニス・コルト

イタリアの人気シンガーソングライターであるミノ・レイターノが主演したマカロニウエスタン。とはいうものの、物語前半の舞台は、南イタリアのアスプロモンテ地方で、西部劇とはかけ離れた雰囲気。荷馬車屋の息子ミコ・サラバンダ(ミノ・レイターノ)は、地元の名家ポキ一族の娘タラ・ポキ(アリサ・アダー)と相思相愛の仲となる。しかし、家柄に厳格な風土の中では、二人の愛を成就させることは困難だった。家長のドン・チアマーノ・ポリ(フリオ・メニコーリ)から、二人の結婚を拒否されたミコは、ドンを手にかけてしまう。

このことがさらなる悲劇を生んでいく。ミコの父が殺され、逆にミコは犯人であるドンの息子を決闘で殺すという復讐の連鎖が続き、ミコはついに国外へ逃亡。アメリカに渡ってガンマンになるという驚きの展開になる。前半の展開は、まさに「ロミオとジュリエット」で、家族の絆と呪縛、さらに復讐には復讐というマカロニウエスタンの原点となったイタリア独特の感性が顕著に表れている。

後半の西部のシーンは、同じイタリア出身のドン・フィフィ(ペドロ・サンチェス)の元で賞金稼ぎとなったミコの撃ち合いと追跡というアクションになるが、突如海を渡って来たタラ・ポキと再会。結婚してハッピーエンドとなる。しかし、この唐突な終わり方には大きな違和感があり、結婚式場でのタラ・ポキの思いつめたような暗い表情が印象的。タラ・ポキにとって、夫となるミコは、父と兄弟の仇でもあるわけで、前半の重苦しい雰囲気から推察すると、この後に真の悲劇が訪れる予感を抱かせる。実際ヨーロッパでは、悲劇バージョンが公開されているらしい。ミノ・レイターノにより熱唱される主題歌「タラ・ポキの伝説」は、流麗なバラードだ。