「黄金の三悪人(68)」

VADO…L’AMMAZZO E TORNO(伊)「行って、殺して、帰る」、 I GO,I’LL KILL HIM AND I’LL BE BACK(英)「私は行く、彼を殺す、そして帰る」劇場公開作品

カテゴリー(Edd Byrnes)

監督エンツィオ・G・カスティラーリ、脚本ティト・カルビ、ジョバンニ・シモネッリ、ロモロ・グエリエリ、撮影ジョバンニ・ベルガミーニ、音楽フランチェスコ・デ・マージ、出演ジョージ・ヒルトン、ギルバート・ローランド、エド・バーンズ、カリーン・オハラ、ジェラード・ハーター、ペドロ・サンチェス、ホセ・トレス、イワン・スタッチオリ、リック・ピーター

主演級の俳優3人を揃えて、それぞれの個性を生かした楽しい作品。全く違う立場の3人の男が手を組んだり裏切ったりし合いながら、黄金をめぐる争奪戦を展開する。ヒルトンはさすらいの賞金稼ぎ、ローランドは山賊の頭、バーンズは黄金を横領しようとする銀行家と配役がそれぞれの個性にピッタリであるところが良い。物語も3人の個性をうまくからませるため、けっこう入り組んでいて、脚本に力を入れて作られた作品であることがよくわかる。

山賊モネテロ(ギルバート・ローランド)一味は軍隊が護送する列車を襲い黄金30万ドルの強奪に成功する。しかし、別動隊を率いていた腹心の部下パポンド(ペドロ・サンチェス)が裏切り、30万ドルの黄金を秘密の場所に隠してしまう。パポンドの後を追ったモネテロは彼に追いつき、黄金の隠し場所を示すメダルを手に入れるが、駆けつけた軍隊によってパポンドは殺され、モネテロ自身も連行される。処刑寸前のモネテロを救ったのが賞金稼ぎのストレンジャー(ジョージ・ヒルトン)。彼は、モネテロを獲物として追っていたが、モネテロの賞金よりも、彼の奪った黄金を巻き上げた方が割りが良いと判断したためだ。黄金の隠し場所を示すメダルは半分に切られ、ひとつはストレンジャーが、もうひとつはモネテロが持つことになるが、モネテロはそのメダルを銀行家のクレイトン(エド・バーンズ)に取り上げられてしまう。銀行家でありながら腕が立ち野心満々のクレイトンも、黄金を我が物にしようとねらっていたのだ。

こうして3人の悪党による、黄金の奪い合いが展開される。メダルはスペイン貴族の古い屋敷の紋章を表したもので、黄金はそこに隠してあることは間違いない。互いに相手を出し抜きながら、屋敷に集結した3悪人だったが、その宝の上前をはねようとモネテロの情婦(カリーン・オハラ)とそのパトロンであるバックマン(ジェラード・ハーター)さらには、裏切ったモネテロの手下達が襲い掛かってくる。大勢の敵を相手に3人の早撃ちが冴える。邪魔物はすべて片付けた3人組だったが、山分けで満足できる連中ではない、3人はそれぞれが拳銃を持って向かい合うのだった。

このラストの対決は「続・夕陽のガンマン(66)」で初登場した3角決闘の再現だが、その後の展開は全く異なり、定石通りの結末となる。それぞれが、その個性に応じた役をのびのびと演じている感じで、小気味よい。線の細いエド・バーンズなどは、「荒野のお尋ね者(66)」で演じていた賞金稼ぎの役などよりも、計算高くて見かけとは違って腕も立つという今回の銀行家の役はまさにうってつけであろう。

おもわず笑ってしまったのは開幕、ストレンジャーの腕前披露のシーン。吹きすさぶ砂塵の中を3人の男が登場する。これが、イーストウッド、ネロ、クリーフに風貌からいでたちまで真似たそっくりさん。賞金首の彼らをストレンジャーは、あっと言う間に撃ち倒して棺桶にたたき込む。マカロニウエスタン独特のパロディ精神いっぱいで思い切り楽しませてもらった。ここで登場した3人組のひとりがジェンマではなかったことも納得。彼のエンジェル・フェイスではどうしても悪人の真似はできないのである。機関車の車輪が駆動する音に重なったイントロから始まるフランチェスコ・デ・マージの主題歌も隠れた傑作としてファンの間では人気が高い。