「ろくでなしのジョン(67)」

JOHN IL BASTARDO(伊)「ろくでなしのジョン」、JOHN THE BASTARD(英)「ろくでなしのジョン」劇場未公開

カテゴリー(John Richardson)

監督アルマンド・クリスピノ、脚本ロマノ・スカボリニ、アルマンド・クリスピノ、撮影サンテ・アチリ、音楽ニコ・フィデンコ、出演ジョン・リチャードソン、クラウディオ・カマソ、マルティーヌ・ベズウイック 、ゴードン・ミッチェル、クラウディオ・ゴーラ、フリオ・メニコーリ、グラウコ・オノラート

自らの出生にコンプレックスを抱き、数々の女性遍歴を続けるカサノバのようなガンマンを主人公にした異色マカロニ。「恐竜100万年」の原始人役で知られる、ジョン・リチャードソン演じる主人公ジョンは、さすらいの旅の過程で、モルモン教徒の清純な娘、荒くれの女盗賊などさまざまな女性と関係をもち、すがる彼女たちを最後には捨てて旅立っていく女たらし。しかし、彼はメキシコの富豪を父にもちながらも、その出生により一家から放逐されている流れ者だった。

苗字をもたず、ジョンという名前だけで呼ばれる彼は、ときにジョン・バスタード(私生児のジョン)と嘲り 呼ばれている劣等感から、そうした非人間的な行為を繰り返していたのだった。今日もジョンは、純粋な牧場主の娘との結婚式で結婚の誓いを述べず、彼女の親兄弟からリンチを受けているところを、ジョンに思いを寄せる召使の女から逃がしてもらうという有様。結局命の恩人である彼女をもほおってジョンは旅立ってしまうのである。

しかし、ジョンは、大金持ちのメキシコ人ドン・ディエゴ・テオリオ(クラウディオ・カマソ)の妻ドナ(マルティーヌ・ベズウイック)を助けたことから、ドン・ディエゴの屋敷に招かれることとなる。屋敷で生活するうちにふとしたことからドン・ディエゴの父ドン・フランシスコこそ彼の父親であり、ドン・ディエゴは、ジョンの異母兄弟であることを知る。彼を放逐した一族への復讐を決意したジョンは、ドナを誘惑して関係をもったうえに、そのことを大勢の来客が集う前で暴露する。ドナは恥と罪の意識から自殺して果てる。

ドン・ディエゴは、地面に放った拳銃をひろって撃ち合う決闘をジョンに挑み、ジョンも挑戦を受けるが、ディエゴは隠し持った銃でジョンを葬ろうとする。ピンチに陥ったジョンに銃を投げて危機を救ってくれたのは、黒マントをまとった不気味な男(ゴードン・ミッチェル)であった。彼の助けを得て、ディエゴを返り討ちにしたジョン は、自分を排斥した一族を破滅させ、復讐を果たすのだった。しかし、彼の前に現れた黒衣の男の正体は、依然ジョンが捨てた純粋なモルモン教徒の女性から雇われた殺し屋であった。数々の罪を犯した主人公はその罪のすべてを背負うかのように、聖アントニオの石像の下敷きになって死んでいく。がっちりしたストーリーと格好良いガンプレイ、様々な象徴的画面に彩られた秀作である。