「ガンマン無頼/地獄人別帳(71)」

LA VENDETTA E UN PIATTO CHE SI SERVE FREDDO(伊)「復讐とは冷めた料理」、VENGENCE TRAIL(英)「復讐街道」劇場公開作品

カテゴリー(Leonard Mann)

監督ウイリアム・レッドフォード、脚本ウイリアム・レッドフォード、モニカ・フェルド、撮影アンジェロ・ロッティ、音楽ピエロ・ウミリアーニ、出演レナード・マン、イワン・ラシモフ、クラウス・キンスキー、エリザベス・エバーフィールド、ステファン・ザカリアス、エンゾ・フィルモンテ

原題通り、復讐をテーマにしたマカロニウエスタン。しかし、70年代になってコメディ路線の作品が増え、マカロニウエスタンらしい壮絶さ、寡黙な主人公のニヒルな魅力などが、マカロニの中から失われつつあった中でコルブッチの「スペシャリスト(69)」と並んで、本作品が日本で劇場公開されたことは本作のレベルの高さを示すものだろう。復讐を基調に据えたマカロニらしい作品であるが、インディアンへの偏見が生み出した復讐劇が、大きな問題を提起する社会派の作品とも解釈できる。そこは、のちに多くの社会派 ドラマで名を成す巨匠ウイリアム・レッドフォード(パスカーレ・スクイティエリ)の手腕だといえる。

また、主演のレナード・マンがなかなか魅力的だ。若くて美しいマスクの持ち主で、沈んだ瞳は 暗く、近寄り難い雰囲気をたたえている。映画の中でもフランコ・ネロのジャンゴ同様、にこりともしない。「愛のアンジェラス」で演じたキリストの演技とは別の静かな迫力を生み出していた。

マウンテンマンの若者ジム(レナード・マン)は、幼い日にインディアンの襲撃を受けて家族を皆殺しにされた暗い過去をもっている。そのため成長した彼は、インディアンを襲って頭の皮を剥いで売り付ける非情の殺し屋になっていた。インディアンの一団を皆殺しにして、部族の女ツーネ(エリザベス・エバーフィールド)を捕らえたジムは、彼女を連れて町に向かうが、インディアンを憎悪する町民たちによって彼女はリンチに遭いそうになる。仕方なしに彼女を救って逃走したジムは、驚くべき事実を知る。「インディアンは何もしていない。土地を手に入れる目的の白人がインディアンの扮装をして悪事を働いているのだ。」

真実を確かめるために行動を開始したジムは拳銃の腕を見込まれて、町のボス、パーキンス(イワン・ラシモフ)の部下として働くことになる。そこで、ジムは、パーキンスが、新聞記者プレスコット(クラウス・キンスキー)と組んで、インディアンへの憎悪をあおり、農民の土地をインディアンの仕業と見せかけて襲撃していたことを知る。ジムはツーネを通して、奴隷として連行されるインディアンたちを助け、彼らの手を借りながら、真犯人のパーキンスの屋敷に殴り込む。

数々のインディアンを殺して恨みを買っているジムがその罪を償うことなく自らの復讐のみをやり遂げて一人去っていくラストは、ふっ切れない面もあるが、マカロニウエスタンのムードを全身にたたえたレナード・マンの個性と、リアリティ溢れる画面作りで大いに雰囲気を盛り上げることに成功した好作品だ。