「ジャンゴとサルタナがやって来た…これで終わりだ(70)」

ARRIVANO DJANGO E SARTANA…E LA FINE(伊)「ジャンゴとサルタナがやって来た…これで終わりだ」, AND SARTANA ARE COMING…IT’S THE END(英) 「ジャンゴとサルタナがやって来た…これで終わりだ」劇場未公開

カテゴリー( Hunt Powers)

監督ディック・スピットファイア(マイルズ・ディーン)、脚本ディモフィロ・フィデーニ(マイルズ・ディーン)、撮影アリステッド・マサセッチ、音楽カリオラノ・ゴーリ、出演ハント・パワーズ、チャット・デービス 、ゴードン・ミッチェル、エットレ・マンニ、シモーヌ・ブロンデル

例によってマイルズ・ディーン監督のワンマン映画。極端な低予算の中で懲りずに作品を量産した彼の作品は、使い回しによる不必要な場面ばかりで退屈そのもの。唯一、カメラを担当したアリステッド・マサセッチ(後のジョー・ダマト監督)によるカットの中に格好の良い構図がいくつか見られるところが見所という程度。

物語は、ケラー(ゴードン・ミッチェル)率いる強盗団に娘ジェシカ(シモーヌ・ブロンデル)を誘拐された牧場主が、娘の救出を賞金稼ぎのジャンゴ(ハント・パワーズ)とサルタナ(チャット・デービス)に依頼して、彼女を救出するまで。といいながらも、娘を誘拐された牧場主の悲しみが描かれることもなければ、二人に救出を依頼するシーンもない。さらにジャンゴとサルタナが登場してからも本編とは関係ない他作品と共有されるポーカーゲームのシーンが何度も挿入され時間稼ぎをしている。また2人が任務を遂行する過程では二人が協力して事をなす場面はほとんど描かれず、両者が顔をあわせる場面すら途中でサルタナをジャンゴが救出する場面とラストでケラーを刺殺したサルタナのところへジャンゴが現れ賞金の分け前を話し合う場面を除いてほとんど見当たらない。それぞれが勝手に何かやり始めたという感じ。さらにジャンゴとサルタナが大変良く似たスタイルで登場するため、遠目にはどちらが登場しているか分からないシーンが多い。

元々、チャット・デービスはハント・パワーズのスタントマンとして活動していた俳優なので、これもある意味当然。こうした場面が多いのは、ディーン監督が、後から場面の使い回しができるようにするため、つぶしのきく画面づくりをねらったものであるのは明白だ。低予算ならばそれなりに撃ち合いぐらいは工夫を凝らせばよいのだが、これもヒーローが撃つと悪党が倒れるという場面を繰り返すのみ。撃つカットと倒れるカットをたくさん撮りだめしておいて、適当に組み合わせて撃ち合いシーンを創り出したものと推測される。

キャラクターであえて特色を挙げるとすると、ベッドの上で2丁のライフルを振り回して「ダダダダ・・」と撃つ真似をしてはしゃいだり、カップを双眼鏡のように覗いてニタニタと笑うゴードン・ミッチェルの狂気の演技が目立つところか。マカロニウエスタンには、この程度のレベルの作品がかなりの数存在するのだ。